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前回は「図書館」に関する勉強と情報収集について書きましたが,言うまでもなく「図書館」はどの館種にせよ,図書館単立ですべてが成り立っている存在ではありません(このあたりを貸出至上主義者は間違える)。図書館についてのみ勉強していても,残念ながら「社会」はわからないのですよね。 と言うわけで,では図書館を成り立たせる社会の仕組みを知るため,僕が実践している勉強と情報収集法を紹介してみましょう。これも前回同様,「僕はこうしています」という話で,誰もが「こうであらねばならぬ」という話ではありませんので(^^;)。それと,根っからの日本ドメスティックな文系人間が組み立てている話ですので,情報学関係の内容は他の方にお任せしますね。 「自由」であるとか「公共性」「公共圏」であるとか,これは「図書館の自由」という狭い教条主義を越えて,社会を成り立たせている重要な要素です。この主題で,僕が座右に置いているのは
「図書館に勤めているひとは,いつ,どんな方法で勉強しているのですか?」という質問を,ある方からいただきました。そこで,参考になるかどうかわかりませんが,僕の勉強法,というより情報収集法を整理してみようと思います。基本的に座学の人間で,正直なところ自分が変な奴だというのはわかっているので,自分のやり方に普遍性があるかどうか,多大な不安があるわけですが(^^;)。 なお,僕は日本ドメスティックで仕事しているので,外国語の文献については詳しい誰かが回答してくれることを期待します。 日々仕事をこなしていくための基礎知識をおさえるには,常に次の書籍を座右に置いておくのがいいでしょう。 『図書館ハンドブック』 『図書館用語集』 『日本目録規則』 『日本十進分類法』 加えて 『知っておきたい図書館の仕事』 『知っておきたい大学図書館の仕事』 『インターネットで文献探索』 も持っていると役に立ちます。 日
後顧のためにも,どこにもない気力を振り絞って,まとめるべきものをまとめてしまいましょう。しばらくの間,お付き合いください。 3月11日(金)は午前中に定期通院の予約を入れていたため,1日休暇をとっていました。本来は土曜日に予約を入れるべきところ,昨年の12月以降入試の関係で予約を入れたい土曜日に出勤しなければならないことが重なり,定期通院日がズレていたのです。あとで考えると,このおかげで罹災後の投薬を1か月分確保できたことになるわけですから,人間の運命なんてわからないものです。 午前中はそんなことで潰れてしまい(我が主治医,予約を入れても1時間待ちはザラという繁盛ぶり),昼食はスーパーで惣菜パンを買っていったん家に戻ります。午後は思い立って駅前のJ書店にクルマで出かけることに。この書店は,駅前の百貨店の9階に昨年新たに開店した全国チェーンの書店で,以前同じ建物に入っていた別の全国チェーンが
2010年という年が,日本の図書館業界において,長く記憶に留められる1年になったことは間違いないでしょう。それは日本図書館協会による「認定司書制度」の正式な発足,岡崎市立中央図書館(あるいは三菱電機インフォメーションシステムズ〈MDIS〉)事件(参考。杉谷智宏さんによる労作です),そして高知県立図書館と高知市立図書館の「合築」問題(参考1,参考2)によってである,と僕は見ます。この3つの「事件」は,1970年代より今日にいたるまで日本の国家レベルにおける図書館政策の不在,そして図書館業界(そのナショナルセンターであるところの日本図書館協会と,その有力な構成要素である公共図書館系団体である日本図書館研究会,図書館問題研究会を中心とする)が推し進めてきた,『市民の図書館』(初版1970年,増補版1976年)というひとつの不磨の大典政策文書に基づく,公共図書館運動の最終的な帰結と破綻を,業界に携
Twitter / 樋渡啓祐: 武雄市図書館の本を電子媒体化し、iPadなどに配信、 ... http://twitter.com/hiwa1118/status/19914018941 佐賀県武雄市の樋渡市長自ら,Twitterでぶちあげています。一言で言って「驚いた」(^^;)。自治体の長が音頭をとって,昨今流行りの「自炊」(個人的にはこの表現好きじゃありませんが,流行り言葉なので一応使います)を公共図書館でやってしまおうという作戦ですから。何がきっかけなのかわかりませんが,なかなかのものではないかと。恐らく,僕も含めて図書館プロパーは「壁」の高さを理解しているが故に,考えついても立案できない企画ですしね・・・・・・(sigh)。 国立国会図書館の長尾真館長による,いわゆる「長尾構想」にすら苛立っている出版業界が,著作権法その他もろもろを盾に一悶着起こすのはほぼ確実と見ますが(著作隣接
ともんけんウィークリー: みんなの図書館2010年8月号が出ました http://tomonken-weekly.seesaa.net/article/156319144.html まずは「みんなの図書館」400号到達,おめでとうございますm(_ _)m 僕が「みんなの図書館」読むようになって20年ほどたちますが,西村彩枝子さんの「『みんなの図書館』のあゆみ」を読んで「いろいろなことがありましたね」と回想できる程度には年齢を重ねたものであるよ,と柄にもなく感慨にふけってみたり(^^;)。取り敢えず,ここでは過去の個人的なことは蒸し返しません(^^;)。 今号に掲載された「メッセージ」はそれぞれの立場から書かれていて,正直「僕が書いたのか?」と思わせるような文章から,図書館問題研究会の主張に同調し補強するものまで様々でしたが,このやり方は何となく日本共産党が以前出していた(いまでもあるのかな
「みんなの図書館」3月号が来たので一読.内容はこちらを参照【ともんけんウィークリー: みんなの図書館2010年3月号が出ました】していただきたい.特集は「図書館イマドキ情報」.前2本が技術的な課題,後半3本が労働争議にまつわる論考. 珍しいな,と思ったのは特集の文章で公共図書館以外の事例が取り上げられていることで,大学図書館での労働争議が主題の論考と,区立保育園での労働争議が幾つかある事例のひとつとして取り上げられている論考が掲載されている.公共図書館にしか興味が無い図問研にしては非常に珍しい.5本目の論考が,広く非常勤職員の問題を取り上げているのは,輪をかけて珍しい.これまで,大学図書館はおろか行政の他部署でさえ歯牙にもかけなかった図問研にして,ついに他部署にも触れざるを得なかったのかと思うと,当方にいささかの感慨がないわけでもない. が,しかし,後半3本の文章の仔細を丹念に点検してみる
そういえば「選書論」の話を書きかけて放擲していたのでした(^^;). 細かい説明は省略しますが,これまで主流だった「要求論」が貸出至上主義の牙城である日本図書館研究会読書調査研究グループにより極限まで推し進められた結果,もたらされたものが片やTRCによる「新刊急行ベル」であり,此方図書館利用者による「選書ツアー」です.面白いことに貸出至上主義を奉じる面々が,ほとんど皆と言っていいくらい,両者を蛇蝎の如く嫌っているわけで(選書ツアーについては,例えばこちら),こーゆうところに貸出至上主義のお役人的なパターナリズムを見る思いがするのですが,それはさておき(このあたり,興味がある方は『図書館は本をどう選ぶか』[安井一徳著,勁草書房]を読んでくださいませ.僕が下手なまとめを書くより面白いはず). 遠からず,「選書論」という枠組みはその有効性を失ってしまうだろう,と僕は考えてまして.それは上に挙げた
先日,教え子が僕を訪ねて来ましたですよ.彼女はダメ講師(僕のこと)の教え子とは思えない優秀なひと.昨今の斯様な情勢下ですから,とある指定管理者だか委託だかの会社が入っている公共図書館にて,その業者の契約社員という立場で勤務しています.僕には時々「専門家としての意見」をお尋ねになります.大概の場合,webで語り尽くされてもなお,一定の同意が得られないような話題に関する質問なので,僕の回答も両論併記の中途半端なものになりがちなのですが,まあそれはさておき. 彼女,何はともあれ「現在」図書館に勤務していることで何か得るところがあったと見えて,学生時代よりも生き生きしているし,実によくしゃべる(^^;).で,その中に現在新築中の某公共図書館の話が出て来てね.詳細は略しますが,その話を聞いていてちと思うところがありましたよ. もう彼女らの世代には,図書館の経営方式が直営も委託も指定管理者も関係ないん
たまには仕事の話. 2005年度 約24万円 2006年度 約31万円 2007年度 約35万円 2008年度 約50万円これは,とある外国語雑誌の勤務先での購読料の推移(代理店経由). この雑誌は,もうひとつの雑誌とともに自然科学系の両巨頭とも言える雑誌であります.勤務先でも40年以上の長きに渡って購読を続けて来た雑誌でしたが,ここ数年,そのアコギな商売のやり口(無暗と増える派生誌,プリントよりオンラインが高額,派生誌をまとめ買いした顧客の優遇などなど)が水面下で取り沙汰されておりました.それがついに,単独でプリント版のみを購読すると50万円ですか.ちなみに,もうひとつの雑誌の購読料はプリント版のみでこちらの3分の1以下.昨今の円の独歩高を考えれば,これが当たり前ですよ.他の外国雑誌も,軒並み購読価格は据置きなのに,これだけが高騰を続けるというのは,さすがというか何というか.この雑誌の「
・・・・・・そうですねえ,大学図書館ならまだしも,「すべてのひとに歩いて10分のところに図書館を」と言っている公共図書館関係者が,図書館建築にはうるさいくせに,都市計画に興味をもっていなさそうなのが,学生時代から20年この方不思議でしょうがないんですよ.で,個々の建築もさることながら,都市計画の中の公共図書館,という感じで,その街のどこに公共図書館を配置するか,とか天守閣のように公共図書館がランドマークになりえるのか,とかそーゆうことまで考えてしまうわけでして.あれやこれやで「コミュニティ」,と言われると中世ヨーロッパの「広場」までをも考慮に入れたくなっちゃうんですよ.机上の空論ではない,人間の営みを考えるわけですからね(^^;).歴史的視野,社会的視野というものを併せ持たなければならないのは,言うまでもないことだろうと思うわけです. まあ,単に僕が「節操が無い」あるいは「際限が無い」(^
でまあ,懲りもせず(^^;)「みんなの図書館」2008年2月号(No.370)を話題に載せる.特集は〈図書館の自由,いまとこれから〉.何でも図問研の自由委員会が再起動するのに合わせての特集との由.忙しくてblogにエントリーが書けなかった1月号(No.369)の特集〈としょかんきほんのき〉が意外に(失礼!)良い特集だったので(安心して図書館を勉強する学生にも薦められる),今回も期待したのだけど,残念ながらハズレである. 中でも感心しないのは「図書館は利用者の秘密を守る」(21-26頁)という文章.これ,期せずして折からblog界隈で話題になっていた,例の練馬区立図書館における貸出履歴保存の問題と,そこから派生して話題になった,公共図書館が貸出履歴を利用してレコメンドサービスを展開することの是非(参考:貸し出し履歴保存延長問題(まとめ) - 図書館学の門をたたく**えるえす。)を,生真面目な
ようやく時間ができたので,溜まっていた雑誌を一気に読んでいるところですが,「ず・ぼん」13号(2007年11月)に掲載された『図書館戦争』の作家と編集部諸氏との「スペシャルインタビュー」と称する対談は,酷いシロモノでしたね.【ぶらぶらライブラリアン - ストーカー!されていた『図書館戦争』批判の顛末】が触れている,『図書館戦争』批判【ぶらぶらライブラリアン - 図書館戦争】から始まった一件ですが,左翼系と称する「ず・ぼん」の編集部諸氏は,『図書館戦争』の作家と出版社が企てた言論弾圧には,全く気がつかなかったかの如く対談を行い,「ず・ぼん」に堂々と顛末を掲載しているのだから,誠に以って無邪気と言うか,罪が無いと言うか,それでよくも「左翼系」が名乗れるものだと,心の底から呆れ返りましたよ.ある編集子に至っては「あんなものは放っておけばええんやけど」と嘯く始末.ああ,なるほどオルテガ・イ・ガセッ
【図書館司書への不満 - 総合歴史研究会】 【新潟市中央図書館に対する要望 - 総合歴史研究会】 基本的にこのblogを書いている方は,公共図書館を創り上げる主体が誰であるかを理解していない方であると評していいでしょう.公共図書館は図書館司書だけが努力して創り出すものと違いますよ.市民の意識が行政を動かすことによって,その基礎が築かれるものです.だから,このblogを書いている方には無意味な資料であっても,別の誰かには意味のある資料である以上は,それを揃える必要は無いとは,公共図書館を運営する立場では言えないわけなんですよね.もっとも,その「意味」を計るものさしが何であるかが,数十年前までとはズレてきていることは確かですけど,それがいいことなのか悪いことなのかは,個々の公共図書館によって,また個々の業界人によって判断が異なるでしょう. ただですね,公共図書館は決して,最初からそこにそのよう
【愚智提衡而立治之至也: 「僕はパパを殺すことに決めた」】で懸念した通りの事態が起きているようです. 読売新聞【少年調書の引用本、公立図書館で閲覧中止の動き】 どの程度まで「公共図書館」に精通している人間が,どのような立場にあってどのような判断を示しているのか(「館長」をはじめとする,決定権を有する正規職員が司書有資格者とは限らないし,たとえ有資格者でも当てにならないことは,幾多の先行事例が示しています),報道からでは何ともわかりかねますが,【はてなブックマーク - 少年調書の引用本、公立図書館で閲覧中止の動き : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)】でhimagine_no9さんがおっしゃっているように 「しかしこの問題を多くの人が検証し考察するためにも図書館での閲覧を保証してほしい」これが,日本図書館協会が制定している「図書館の自由に関する宣言」の中に述べられている「国
出勤日.目録作業の傍ら,平成19年能登半島地震に関する情報収集.休み時間に情報をUPするべく,こっそり当blogを更新(良い子の皆さんは真似をしていけません).七尾市立中央図書館と輪島市立図書館が当分の間,休館する由.図書館に被害が皆無とは考えにくかったところなのに,情報収集に当らなければならないはずの業界団体の動きは相変わらず鈍い(わずかな例外はあるが,ほとんど何も聞こえて来ない). 図書館業界の,それも公共図書館業界の業界内政治にしか目が向いていないヒトには,昨日今日と僕が何に対していらだっているかは理解の外だろうが,例えば土木学会の【土木学会災害調査団 能登半島沖で発生した地震に対する対策本部設置および調査団派遣について】や日本建築学会の【2007年3月25日能登半島沖地震 - 日本建築学会災害委員会】を見ても猶,僕の考えていることがわからないだろうか. こーゆうとき,他の分野のナシ
お休みの日.昨日は飲み過ぎ,というかあれくらいでは酔わないはずなのに(-_-;). 早起きしてクルマを出して白河のだるま市へ.相変わらず,朝から人が出ていることである.あまり大きいのは買えないので,小型のものを幾つも買ったところ頼みもしないのにまけてくれた(^^;). だるま市からクルマを東に廻し,近頃公共図書館業界内では『市民の図書館』信者から目の敵にされ,業界外では賞賛を以って迎えられている矢祭町へ.ようやく行ってきましたよ,矢祭もったいない図書館へ.勿論,寄贈したい本を些少ではありましたが(^^;)持参して.矢祭で,僕が何を見て,何を聞いてきたのか,それは申し訳無いけど,いまここでは明らかにしませんあしからず. ただ,その書架が業界人の危惧とは裏腹に,なかなか立派な内容であったことについてのみ,業界の内外で囁かれた「寄贈本」に対する流言飛語を否定するためにも,ここで申し述べておきます
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