「そもそもなぜ働くのでしょうか。なぜ就活をするのでしょうか。『なぜ』を考え抜かないまま就活に取り組んで、ネームバリューや思い込みによる企業イメージなどだけで入社を決めてしまうと、たった一回の人生、限られている時間を無駄に過ごしてしまうことになってしまいます」 そう話すのは、現在、ファーストリテイリングでIT採用の責任者をしている鈴木健太郎だ。彼は2017年の10月、同社グループ全体の新卒採用の責任者として入社した。前職であるマイクロソフトでの経験をもとに、今はIT人材の採用責任者として世界中で採用活動を行なっている。去年末からはインドでも採用活動を開始した。 「逆算」で専攻を選ぶ海外の就活生は就活に強い 前提として、私は“日本”と“海外”という区分けに違和感を持っています。海外に行くと我々も外国人です。今の時代、日本という国にこだわらずに、境界がない世界=グローバルレベルで物事を考える必要
(注)この文章は、ある映画批評の同人誌から依頼され、2017年10月頃に書いたものである。しかしその後、その同人誌からの連絡はなく、私はその同人誌の企画は消滅したものと判断した。ほかに発表媒体もないため、また自分で久々に読み返してみてそれほど悪くない批評文であると感じたために、さらには吉本興行をめぐる様々な問題が露呈したタイミングであり何らかの参考になるかもしれないとも考えて、この場に公開することにした。とても長いが、通読して頂けると幸いである。この20ヵ月ほどの間に松本氏をめぐる状況も変化したと思うが、その時から特に手は入れていない。なおこの松本人志論は「地球外的な笑いについて――北野武論のためのノート」(27枚、『映画監督、北野武。』、フィルムアート社、2017年9月30日)という文章とほぼ並行して書き進めたもの。関心のある方はそちらも手に取ってみて下さい。 (注)何人かの人にアドバイ
1990年以降、日本の貯蓄率は大きく低下した。その結果、貯蓄率は、ドイツや韓国、アメリカよりも低く、主要国ではダントツの低水準だ。なにが原因なのか。統計データ分析家の本川裕氏は、「低成長による所得の伸び悩みが原因ではないか」という――。 本稿は、本川裕『なぜ、男性は突然、草食化したのか』(日本経済新聞出版社)の一部を再編集したものです。 なぜ日本人は貯金しなくなったのか 家計の可処分所得は、一方で消費に回され、他方で貯蓄される。消費に回される分の比率を「消費性向」と呼び、貯蓄に回される比率を「貯蓄率」と呼ぶ。消費性向と貯蓄率は足して1となる性格のものである。 貯蓄に回された部分は、銀行預金を通じて、あるいは直接的な債券・株式の購入によって企業などの投資原資となるので、産業の発展を国内で支える基盤として重要視されている。 主要国の家計貯蓄率の推移を、OECD Economic Outlook
アニメ制作会社「京都アニメーション」放火殺人事件を受けて寄せたコラム記事が物議を醸している純丘曜彰(すみおか・てるあき)大阪芸術大学教授が2019年7月26日、J-CASTニュースの取材に応じ、コラムで京アニのことを指したものだとしてインターネット上の批判を集めた「麻薬の売人以下」との表現について、「これは京アニのことではない」と反論した。 京アニ作品に限らず長年のアニメファンであり、アニメが研究対象でもある純丘氏は、放火事件を「心の底から悲しんでいる」と心境を明かす。ただ、自身が書いた記事については「文章が下手で申し訳なかった。誤解されるだろうと思う」と反省を口にした。真意はどこにあったのか。 公開と削除を繰り返し... 純丘氏をめぐっては、南青山インサイト(東京都港区)が運営するウェブメディア「インサイトナウ」へ21日に寄稿したコラムが「炎上」状態にある。「終わりなき日常の終わり:京ア
雇用は本当に増えたのか? 野党側が実質賃金低下を指摘する度に安倍総理が持ち出すのが「総雇用者所得」、すなわち雇用者の賃金の総額である。確かに総雇用者所得は増えているが、その理由は単に「雇用者が増えている」から。数が増えたから総額が増えるのは当然だろう。 だが、問題は「それ、アベノミクスのおかげなの?」ということ。ここで、職種別の増加雇用者数を示した図1のグラフを見てみよう。これは2018年の職種別雇用者数からアベノミクス前である2012年の職種別雇用者数を引いたもの。 なんと、医療・福祉が2位以下を大きく引き離してぶっちぎりの1位だ。125万人も増えていて、2位と3位を合わせた数よりもなお多い。これは明らかに高齢者の増大が影響しているので、アベノミクスとは無関係。 2位の卸売業・小売業も、円安によって恩恵を受けるわけではないし、原材料費の高騰や記録的な消費低迷からするとむしろ害を受ける方な
安倍晋三首相が6月10日、参議院決算委員会での答弁で「金融政策は目的をすでに達成している」と発言。アベノミクスの原動力ともなっていた、日銀の金融緩和政策の必要性を、ここにきて首相自らが否定する見解を示した。 これに対して、日銀内部では、「まったく想定していなかった発言」「日銀が進める金融緩和政策に対して、政府が梯子を外した」「安倍首相は本気でデフレ経済からの脱却を目指しているのか」などの声が上がった。 安倍会首相の発言は国民民主党所属の大塚耕平議員への答弁で、「日本銀行の2%の物価安定目標は一応の目的だが、本当の目的は雇用に働きかけ、完全雇用を目指していくこと。その意味で、金融政策は目標をすでに達成している」とした。 周知のとおり、そもそも、2012年12月に発足した第2次安倍政権で経済政策「アベノミクス」を打ち出し、金融政策・財政政策・成長戦略の「3本の矢」を政策の柱として、2%の物価安
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事象の背後にある「情報戦」を読み解く。 バックナンバー一覧 参院選で珍しく、与
[東京 10日 ロイター] - 国際協力銀行(JBIC)前総裁の近藤章氏は、米中対立の本質がサイバー覇権を巡る争いであり、日本は米国陣営に属するべきだと主張した。また、企業経営者によるIT活用の弱さで国際競争力が低下したと指摘。その背景に円安誘導による「企業の甘やかし」があったと分析し、円安・株高政策を是正し、企業の競争力を高める政策に転換するべきだと語った。 <米中はサイバー覇権争い、米国に付くべき> 近藤氏は1967年に東京大学法学部を卒業後、旧住友銀行(現三井住友銀行)入行。2016年から18年まで国際協力銀行(JBIC)総裁を務めた。日銀の黒田東彦総裁や細田博之・元自民党幹事長らと東京教育大付属駒場中・高校(現筑波大付属駒場中・高校)、東大の同窓生であることでも知られている。 近藤氏は、米中貿易戦争の背景に言及し「中国が、本格的な大国に復権しようとしている。米ソが核をめぐる覇権対立
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