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ブックマーク / daen.hatenablog.jp (4)

  • 「宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選」読書会の模様 - 誰が得するんだよこの書評

    宇宙の果ての屋 現代中華SF傑作選 作者:顧適,何夕,韓松,宝樹,陸秋槎,陳楸帆,王晋康,王侃瑜,程婧波,梁清散,万象峰年,譚楷,趙海虹,昼温,江波 新紀元社 Amazon 中国SFは「三体」が面白かったので短編アンソロジーにも手を出してみました。10点満点で読書会参加者の平均点が最も高かったのは、王晋康「水星播種」(平均9点)でした。今回の「誰得賞」です。読書会の主な声は以下のとおり。点数は個人的な点数で、参加者の平均点ではありません。 顧適「生命のための詩と遠方」(2019) 7点 何夕「小雨」(1994) 4点 韓松「仏性」(2015) 7点 宝樹「円環少女」(2017) 5点 陸秋槎「杞憂」(2019) 9点 陳楸帆「女神のG」(2009) 6点 王晋康「水星播種」(2016) 9点 程婧波「嫌いの小松さん」(2019) 4点 梁清散「夜明け前の鳥」(2019) 8点 万象峰年

    「宇宙の果ての本屋 現代中華SF傑作選」読書会の模様 - 誰が得するんだよこの書評
    yugui
    yugui 2024/04/08
  • 2円で刑務所、5億で執行猶予 / 浜井浩一 - 誰が得するんだよこの書評

    刑法・刑事訴訟法について学ぶ人は読んで損はないです。刑事政策の専門家が、治安にまつわる神話をデータに基づいて検証した。まず「少年犯罪は減っており、むしろ高齢者の犯罪が増えている」のが意外でした。万引きについては1980年代には50%が少年、10%が高齢者でしたが、2006年には30%が高齢者になり少年を上回ります。また刑務所に入る人の大半が「悪い人」というよりも「経済力を失い、社会的に孤立した人」という実態があります。中高齢者の犯罪は年々増加している今、刑務所が身寄りのない老人のセイフティーネットとして機能している状態です。つまり監獄が一種のベーシック・インカム(BI)になっています。 個人的にBIには、公務員契約としての性質があると思っています。三・寝る場所という最低限の生活を報酬として与える代わりに、犯罪を起こさないという労務を課す、公務員契約です。そうすると、BI導入は国土の全体

    yugui
    yugui 2010/12/08
    "BIは行政による私生活の介入を許す建前を与える"
  • ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評

    文学というメタゲームへの最終兵器にして史上最も難解なSF。あるいは「火の鳥 ハードSF篇」。グレッグ・イーガンは多分この作品で文学を終わらそうとしている。「批評の終着点はどこか」では批評のメタ構造ゆえに、究極の文学・究極の批評などありえないことを論じました。しかしもし、究極の文学がありえるとしたら、それは批評のメタ構造そのものを捉え批評するような、批評というゲームをクソゲーだと気づかせてしまうようなそんな作品になるはずです。それが「ディアスポラ」です。 ストーリーはクラーク「幼年期の終わり」や小松左京「果てしきなき流れの果に」のテーマである「人間の存在は宇宙でどのような意味を持つのか」という王道を突っ走るもの。しかも既存のどんなSFよりも深く難解に。エンタメとしては限りなく終わっていますが、SFとしてはひとつの到達点を見たと評価します。舞台は30世紀で人類のほとんどは肉体を捨て、人格や記憶

    ディアスポラ / グレッグ・イーガン - 誰が得するんだよこの書評
  • ハーモニー / 伊藤計劃 - 誰が得するんだよこの書評

    「近代」の前提をぶっ壊した超問題作。 間違いなく2008年ベストの小説。その価値観のちゃぶ台返しっぷりには脱帽する。 クラーク「幼年期の終わり」やエヴァンゲリオンの人類補完計画など、人類の進化というテーマはSFではおなじみだが、これほど大胆かつ精密にこのテーマを扱った作品はないんじゃないか。 脳科学とナノテクノロジーの発達が心理学を変え、そして社会学や経済学をの前提をぶっ壊し、ついには世界を一変させてしまう……。そのプロセスは、単なる思考実験にとどまらない激烈なインパクトを持っている。 ストーリーがやや弱いとか、パロディが寒いとか、そんなささいな欠点は気にならない。圧倒的な面白さがある。 以下ネタバレ。 はたして人類は幸福になったのか? 【幸福を認識できるのか】 かなり疑問だ。そもそも意識を刈り取ることが「幸福」であることの根拠はミァハの「意識が無かったときは恍惚だった」という発言である。

    ハーモニー / 伊藤計劃 - 誰が得するんだよこの書評
    yugui
    yugui 2009/01/07
    "誰だって生きていれば自殺を考えることの一回や二回ある"; 文学する類の我々にとっては恐ろしいことに、どうやら一回も考えない人が結構いるらしいんだ。これが。
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