コロナ禍での五輪開催に揺れた日本社会。東京で取材する海外の特派員はどう見たのか。次の開催国、フランスのリベラシオン紙とラジオ・フランスの記者で、20年以上にわたり日本を見てきた西村カリンさんに聞いた。 ――異例の形で開催された五輪を、どのように取材しましたか スポーツの取材は専門性のある記者が派遣されたので、私はメインプレスセンターや競技場、空港の感染対策について、国際オリンピック委員会(IOC)に取材しました。いつもの五輪であれば、倍くらいの人数の記者が来て、開催国の文化や社会のことも発信するのですが、彼らは外での取材が不可能でした。結果的にコロナの感染状況とスポーツばかりが報道されることになりました。 ――「復興五輪」について開会式などで発信がなく、ほとんど報じられませんでした 私は東北の方を取材するため、聖火リレーの際は福島県へ行きましたが、普段日本のことを取材しない記者は復興五輪の