産経新聞が5月28日付で報じた、朝鮮人民軍元幹部による海上拉致証言の記事をきっかけに、古屋圭司拉致問題担当相は過去の海難事故を再調査する意向を示しました。菅義偉官房長官も「拉致の可能性があったところを洗い出すのは当然」と表明しました。 元幹部のような脱北者の証言を軽視する政府関係者が一部にはいます。今回もそうした反応を示した関係者がいたと聞きます。脱北者による偽情報や誤情報はたくさんありますが、自ら「日本人を拉致した」と話す元幹部の証言を放っておくような感覚には怒りさえ覚えます。 30年も40年も前の事案を洗い直す作業は困難を伴います。でもひとつずつ調べるしかありません。横田めぐみさん拉致事件も脱北した元工作員がもたらした情報をひとつずつ調べたから判明したのです。(副編集長 中村将)