「21世紀はロボットと共にある」――ひと昔前に、盛んにメディアで使われたフレーズだ。 日本の少子高齢化が進み、科学技術立国が陳腐化するまでは現実のものとして可能性を感じていた。 2000年11月にホンダから発表されたヒューマノイドロボット「ASIMO」も、その未来像を現実として感じさせるロボットだった。 だが、22年になってもパーソナルロボットはまだまだ身近な存在になり得ていない。 ソニーの「QRIO」は発売されず、ソフトバンクの「Pepper」はだんだんと街から姿を消し、ASIMOの開発チームは解散。 想像していたより、ずっと未来は現実的だった。 開発終了後も日本科学未来館で活動を続けていたASIMOだったが、22年3月末でついに卒業。 人々がASIMOを見る最後の機会となってしまった。 ASIMOの担ってきた役割とロボット社会の今後について日本科学未来館科学コミュニケーション専門主任の