ある研究で、装着者が頭で考えただけで義足の動きをコントロールすることに成功した。いずれは脚や腕を切断した人の動作の向上につながるかもしれない。 この男性は、失われたひざや足首に信号を伝達していた神経や筋肉が発するインパルスを受け取るセンサーの助けを借り、元の足でしていたように、脳からの指令に基づいて階段や斜面を上り下りすることができた。重要なのは、足首を曲げることが可能で、自然に近い歩き方ができたこと。現在の人工装具ではできない動きだ。 4年前にバイクの事故で右足をなくしたワシントン州イェルムのソフトウエアエンジニア、ザック・ボウター氏(32)は、実験中のこうしたバイオニック(生体工学の)義足について、毎日使っている義足とは「昼と夜ほど違う」と述べた。「普段の義足で階段を上る時、先に上に行くのはいつも健康なほうの脚だ。階段の上り下りはいつも(両足交互でなく)1段ずつだ」と述べている。
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いわゆる"Y染色体アダム"に関する興味深い論文*1が発表された。この研究結果が直接的に示したのは、Y染色体アダムはこれまでの研究の推定よりも、かなり昔の人物だっただろうということだ。それ自体は予てからこの問題に関心をもっていた人でなければ、どうということは無いように聞こえるかもしれない。私が個人的に面白いと感じたのは、むしろこの発見の経緯とこの結果が示唆する人類の起源についての興味深い仮説の方だ。 "Y染色体アダム"とは誰か この話を本格的に始めるとなかなか本題に入れない。ここでは簡単な説明に留めることにしよう。詳細で厳密な説明は、例えばリチャード・ドーキンス著の『祖先の物語』の上巻で確認してほしい。 祖先の物語 ~ドーキンスの生命史~ 上 作者: リチャード・ドーキンス,垂水雄二出版社/メーカー: 小学館発売日: 2006/08/31メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 45回この
By vernhart 加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症などといった網膜の欠陥によって完全に失明した患者であっても、576ピクセルに等しい映像で視力を取り戻すことができる技術が開発されました。 The laser-powered bionic eye that gives 576-pixel grayscale vision to the blind | ExtremeTech このバイオ・インプラントは、さまざまな学説や動物による試用テストを経て、ヨーロッパの市場に衝撃を与えているようです。 視力を回復させるインプラントにはこれまでにもSecond Sight社によって開発されたArgus IIというものがあり、これはすでにヨーロッパで利用可能です。費用はおよそ11万5000ドル(約900万円)。4時間の手術によって眼球の後ろにアンテナを埋め込みます。この時、アンテナにシグナルを送るためにカ
米国防総省国防高等研究計画局(DARPA)が研究している、音を利用して炎を消すという実験の映像。 炎の左右にある筒のようなもののどちらかがスピーカーで、スピーカーからでる特殊な音によって炎がかき消されているのだ。 音を消火に用いるというアプローチは珍しいけれど、これが実用化すれば電気火災にも油火災にもオールマイティーに適応できそうだね。
いよいよ虫刺され本番の季節。米アリゾナ州の昆虫学者、ジャスティン・シュミット博士は、全米各地をまわり、在来種である147種の昆虫に自らの血肉を捧げ、どの虫に刺されると一番痛いのかを試し、痛さのランク付けを行ったそうだ。博士曰く、「痛みなくして得るものなし」なのだそうだ。
さまざまな環境技術が登場したエレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2011」(2011年10月4~8日に幕張メッセで開催)。中でも太陽誘電が開発した「DVD」の発想には意表を突かれた(図1)。 DVDとはいっても映像の録画再生用媒体ではない。太陽電池である。PCやDVDレコーダーに差し込んで、読み出し用や書き込み用半導体レーザーで発電する……のではなく、太陽光や室内光を取り込んで電力を生む太陽電池だ。 図1 太陽誘電が展示したDVD型太陽電池 ガラス基板ではなく、プラスチック基板を使ったため軽量で薄く(0.3mm厚)、ある程度の柔軟性がある。色素増感太陽電池の一種。日本学術振興会の「最先端研究開発支援プログラム」(FIRST)による研究開発の結果生まれた技術だ。 なぜDVD型デザインなのか 太陽電池の開発目標は2つに大別できる。材料コストと製造コストを下げることがまず1点
ニューヨーク(New York)のサウス・ストリート・シーポートの「BODIES...The Exhibition(人体展)」に展示される人体標本(2011年2月2日撮影)。(c)AFP/TIMOTHY A. CLARY 【2月7日 AFP】人類の脳の大きさが過去3万年で縮小しているとの研究結果が米科学誌ディスカバー(Discover)に発表された。科学者たちは、これは知能が低下しているのではなく脳がより引き締まり効率的になった「進化」ではないかと主張する一方、戸惑いも見せている。 欧州、中東、アジアで発掘された頭がい骨を測定した結果、現生人類「ホモ・サピエンス(Homo sapiens)」の脳の平均サイズは、3万年前と比べて約10%縮小し、1500立方センチメートルから1359立方センチになっていた。縮小はテニスボール1個分に相当する。 ■「生存の危機」なくなったのが縮小の原因か? 3万
『つぎはぎだらけの脳と心』によると、人間とは脳のレベルで「物語」を作ることを宿命付けられている存在のようだ。人間は各感覚器で外界の状況をありのままに写し取っていると思っているが、感覚器から脳に送られてくる感覚情報は途切れ途切れの取り留めないもので、それを脳が「編集」して足りない部分は埋め合わせて一貫した「物語」にしているという。 例えば人間は、物を見る際に目がせわしなくあちこちに動く「サッカード」という現象を起こしている。しかし、私たちは眼球があちこち動きまわっているなどということは意識せずに、物の映像が普通に見えている。これは脳が、目が動いている間に送られる情報は無視して、この結果できた隙間を、目の動きが止まってから得られた情報で埋めているからだという。これは、「クロノスタシス」と呼ばれる。 このクロノスタシスは、視覚だけでなく、感覚一般に広く見られる現象である。「そのまま情報を受け取っ
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