20歳以上の国民のおよそ二人に一人がかかっているとされる、高血圧症。その基準が今後さらに下がる可能性があるという。その裏では何が起きているのか。医療業界の知られざる思惑を抉り出す―。 本当に下げるべきなのか? 「80歳ぐらいまでは血圧なんて気にしたことがなかったんです。ところが、たまたま訪れた病院で測ってみたところ、上が140台だったため、降圧剤を処方されました。今から5~6年前のことです。それ以来、塩分控えめの食生活を心がけながら、いちばん弱い2・5mgのものを1錠ずつ飲んでいます。現在は薬をうっかり飲まないことがあっても、130台です。 それでも医者は『降圧剤を飲むのをやめてもいい』とは言わないので、惰性で飲み続けていますが、どうしたものか……」 中部地方に住む80代の男性は、こう言って首を傾げる。現在、血圧が130台で安定しているのは、塩分の摂取量を減らした効果なのか、それとも降圧剤