2016年11月に公開されて以来、大ヒット上映中の映画『この世界の片隅に』。3月3日(金)には、第40回日本アカデミー賞「最優秀賞アニメーション作品賞」の受賞が決まりますます注目が集まる本作。ダ・ヴィンチニュースは、『この世界の片隅に』監督の片渕須直さんと『機動戦士ガンダム』などを手掛けてきた日本を代表するアニメ監督・富野由悠季さんの対談に密着。おニ人の対談の模様が配信される文化放送のインターネットオンデマンド配信サービス「AG-ON Premium」の収録現場に伺った。 富野監督『この世界の片隅に』から戦争と歴史を語る ――今回、映画『この世界の片隅に』をご覧になった富野由悠季監督と、片渕須直監督とのはじめての対談になります。本日はよろしくお願いいたします。 富野由悠季監督(以下、富野): よろしくお願いいたします。『この世界の片隅に』を観て、開始10分くらいで衝撃を受けたことがあります
菊地成孔氏の「ラ・ラ・ランド」評に発した、「観客を批評するのはOKなのか? アウトなのか?」というコメントが面白かった。 観た人を馬鹿にするな まずは、発端となった、菊池氏のエントリー。 これに関して、反論の意見、特に観客を馬鹿にするのはダメだ! という意見がでてくる。代表的なツイートはこちら。 「恋に飢えた女どもを中心にした全人類どもを『セッション』の1000倍の力でヒーヒー言わせる」ララランドをバカにするのはいいがララランド見てる人をバカにするのはルール違反でしょ / “菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回…” https://t.co/Cg0J4nSEyV— アオヤギミホコ (@ao8l22) 2017年3月6日 元ナタリーの唐木元氏の疑問 このコメントに関して、元ナタリーの唐木元氏が以下のようにコメントする。 菊地さんのララランド評より興味深かったのは、評への反応に「作品
*以下のテキストは、 マスメディアがアカデミー賞レースの報道を一斉に始める前の、2月20日に入稿、更に4日前に書かれたもので、つまり所謂 「あとだしジャンケン」ではない旨、冒頭に強調しておく。 今時これほど手放しで褒められてる映画があるだろうか? 当連載は、英語圏の作品を扱わないので今回は<特別編>となる。筆者は映画評論家として3流だと思うが、本作は、複数のメディアから批評の依頼があった。大人気である。「全く褒められませんよ」「こんな映画にヒーヒー言ってるバカにいやがられるだけの原稿しか書けませんけど」と固辞しても、どうしても書けという。 そりゃあそうだ。筆者は一度だけヤフーニュースのトップページに名前が出たことがある。ジャズの名門インパルス!レーベルと、米国人以外で初めて契約したから? 違う。女優の菊地凛子を歌手デビューさせたから? 違う。正解は「『セッション』を自分のブログで酷評したか
最多7冠の『シン・ゴジラ』チーム 第40回日本アカデミー賞授賞式が3日、港区のグランドプリンスホテル新高輪で行われ、映画『シン・ゴジラ』が最優秀作品賞と最優秀監督賞を含む最多7冠に輝いた。そのほか音楽賞以外の技術部門を総なめにして、他を寄せ付けぬ圧勝となった。 【写真】広瀬すず、宮崎あおい、橋本環奈らも美の競演 『エヴァンゲリオン』シリーズの庵野秀明が総監督・脚本、『進撃の巨人』シリーズの樋口真嗣が監督・特技監督を務め、『ゴジラ』国内シリーズとしては約12年ぶりに製作された本作。現代日本に出現したゴジラが、戦車などからの攻撃をものともせずに暴れる姿を活写し、邦画実写作品としては『永遠の0』(2013)以来に興行収入80億円を突破する大ヒットを記録した。 ADVERTISEMENT 日本アカデミー賞協会・岡田裕介会長は「どこかの国と同じように間違えないようにしたいと思います」と先日行われた米
「君の名は。」がキネマ旬報ベスト選外となったけど、これは、日本の映画批評における下記の(伝統的な)問題点の象徴する出来事なので、みんなもっと大騒ぎすればよいと思います。 最初の問題点。日本の映画批評は、アニメーション映画を適切に評価することができません。 キネマ旬報のベストテンにランクインしたピクサー映画は、何本でしょうか?少し考えてみてください。答えは、ゼロ。ゼロですよゼロ。世界のアニメーションに革命を起こした「トイストーリー」も、障碍児童の冒険譚をウェルメイドに仕上げた「ファインディングニモ」も、冒頭からほとんどセリフを用いることなく世界の荒廃を描いた意欲作「ウォーリー」も、トリロジーの最終作として圧倒的な完成度を誇る「トイストーリー3」も、ベストテン選外になっています。ピクサー以外でも、「アナ雪」も選外なら、2016年は「ズートピア」も選外。正気かよ。日本のアニメーションに目を向けて
『この世界の片隅に』を見てきた。 第二次世界大戦中、広島出身で結婚により呉に移住したすず(声優:能年玲奈)の暮らしを描いた作品である。すずは広島の郊外にある海苔業者の純朴な娘で、絵を描くのが得意の夢見がちな少女である。そんなすずが呉に住む北條家の息子に見初められ、結婚して親元を離れる。呉が空襲、広島が原爆で大変なことになり、すずも空襲で片手を失う大けがをするが、なんとか終戦まで生き延びる。 全体的には精密な時代考証によるリアリティに富んだ美しい映像で女性の暮らしを綴るもので、よくできた作品だと思った。すずは芸術的な想像力を持った女性なのだが、ちょっと浮き世離れしたところに能年玲奈の声がよく似合う。いろいろと野心的な手法も使われており、すずの描いた絵を取り込んでヒロインの想像や心境を示すやり方はうまい。とくにすずが空襲で爆弾にやられるあたりで絵のタッチが変わり、あまり凄惨な描写はしないで悲劇
2016年の日本映画界は、非常に活況に満ちた一年となった。 2015年に続いて興行成績は好調を維持し続け、結果的に過去最高を記録した。さらに2010年代を代表するかのような3本の映画も登場した。『君の名は。』、『シン・ゴジラ』、そして『この世界の片隅に』だ。先に結論だけ述べておけば、この3本は「ポスト3.11の時代」を象徴する映画だった。 本論では、全体の情況を確認しながら、この3本を中心として2016年の日本映画を考察していく。 飛躍の可能性がうかがえる日本映画界 本題に入る前に、映画界全体の動向を押さえておこう。 映画はしばしば斜陽産業だと見なされるが、それは誤った認識だ。90年代中期に最低迷期を迎えた日本映画界は、21世紀に入って回復した。1981~2000年と2001~2016年の両期間を比較すると、総興行収入は平均1685億円から2039億円に、入場者数は平均1億4291万人から
泣けなかったのだ。映画が悪いんじゃない。たまたま自分のメンタルが凄まじく低調で、感情が希薄になるレベルにまで落ちていたのだ。まあそれが持ち直してきたのでこれを書いてるんだけど、その時は映画を最後まで冷静に観て、なぜこの映画は人を感動させるんだろうなんてことをていた。一方で、情動がない分、こまやかにに表現された世界に対するロジカルな理解というか、納得感を得た。 巨大な戦争の中で続いていく、ちいさな暮らしを描写したこの作品に、ハリウッド映画のような分かりやすい物語の構造は見えづらい。けれど分解してみれば、きちんと物語の軸がある。 戦争という状況を抜いてしまえば、これはシンプルなメロドラマだ。流されて嫁いだ主人公すずが、自分の生活を作り、愛に確信を得ていく物語。結末で、その愛が運命であることが語られる(ここだけファンタジーになるのが巧い)。あとで原作を読んだけれど、そちらではメロドラマとしての性
ドイツ西部の都市ケルンで1月28日(現地時間)、『この世界の片隅に』(英題: IN THIS CORNER OF THE WORLD)が映画祭「AKIBA PASS FESTIVAL」のプログラムのひとつとして上映された。『この世界の片隅に』のドイツ国内上映は同映画祭が初めての機会。さらに、昨年11月に海外配給が決定してから世界に先駆けた日本国外上映となる。ドイツの観客はどのように観たのか、また上映作品として選ばれた理由を探りに現地を訪れた。 『君の名は。』にはないストーリーテリング AKIBA PASS FESTIVALは、日本のアニメを専門としたドイツ語圏(ドイツ、オーストリア、スイス)向けのウェブサイト「AKIBA PASS」を運営する「peppermint anime」(ペパーミント・アニメ)が主催。『この世界の片隅に』は日本のアニメ15作品と共に、1月21日のドイツ・ハンブルクを
世の評価も定まったようなので、少し違う意見を書いてもいいかと。ちなみに公開直後の感想です。(ネタバレあり)。 世間では絶賛一辺倒だけれど、私は少し違う。私にとって、これは「恐ろしい」映画だった。こうのさんの漫画も読んで内容は見る前に承知していたけれど、色が付いて、動いて、声も音も出て、画面も大きいアニメ映画の衝撃はそれとは比べ物にならない。 クラウドファンディング出資者の一人として情報発信も宣伝もするし、実際良く出来た映画だとは思うけれど、他の誰かに対して「絶対見た方がいいですよ」とは言えない。言うのならば「覚悟して見た方がいいですよ」と言うだろう。 何回も繰り返して見たり、すぐに感想をまとめられる人には、すごいなと感心するけれど、私とはメンタリティが違うのだろうと、ただそう思う。 それでも、出だしのところは好きだ。子ども時代の主人公すずさんが舟で当時の広島の中心部、中島本町へお遣いに行く
残念だがそれほど人気がない。 俺は英国在住のおっさん。年始にロンドンで見たが、そもそも上映している映画館が少ない。毎日上映している映画館はロンドンで2-3か所。860万人住んでいるのに。 月に数回上映がそのほかに数か所。以上。ザッツオール。公開後1月以上経過しているから減ったのだろう。 客の入りは5割くらいで、そのうち6割がイギリス人、4割は東洋人。中国人韓国人日本人。 イギリスのメディアが君の名はを絶賛した、という記事は俺も見た。口コミサイトの評価も見てみたが、非常に良い。 更には上映後のイギリス人の反応を観察してみたが、満足そうに見えた。 ゆえに入口でのハードルなのだろう。ただし内容について「感動」「ラブストーリー」というよりは「展開が早く引き込むストーリー性」「映像の綺麗さ」が評価されているように思う。 若者のラブストーリーである「君の名は」がイギリスでアジア圏のようなヒットにならな
歌手の華原朋美(42)が昨年10月に開催された馬術の全国大会『ジャパンオープン』で優勝し、今年3月23日から静岡で開催される国際大会『国際馬術大会 in掛川』の出場権を獲得したことが14日、明らかになった。同日放送のTBS系『炎の体育会TV』(毎週土曜 後6:55)内で発表された。 愛馬「キャリー」と息ピッタリの華原 高校時代、国体で4位に入賞するほどの馬術の腕を誇る華原は、23年のブランクを経て昨年、同番組の企画で競技を再開。5月に出場した大会では12位に終わり涙をのんでいた。 大会では3位以内に入れば国際大会出場が決まる。今回は全日本優勝者など強敵22選手がひしめき合うなか、飛び変えた障害物の“高さ”で点数を競う種目「トップスコア」で、成功率30%の障害物も2回成功させるなどまさかのノーミス。最高の形で競技を締めくくり、1位の栄冠と世界への切符を手にした。 騎乗する愛馬「キャリー
舌鋒鋭いコメントで人気を博し、テレビで見ない日はないドラァグ・クイーンのマツコ・デラックスさんだが、意外にもメディアに単独インタビューという形で登場することは近年ほとんどない。特にWebメディアでは皆無と言っていい。 自著『デラックスじゃない』(双葉社)などを読むと、インターネットに対する批判的な意見も目立つ。 テレビとネットをめぐる状況としては、ネット上でテレビの信用性が疑問視され、いつの間にかテレビはネットの仮想敵となっていた。一方で、2016年末にはWELQ問題(関連記事)などもあり、ネット上の情報の信頼性を巡る議論はテレビでも取り沙汰されている。 今、テレビを代表するタレントとして活躍するマツコさんは、Webメディアをはじめとするインターネットをどう見ているのか? 同時に、筆者には、テレビに映るマツコさんは、彼(マツコさんはゲイという性自認なので、女装をしていても「彼女」とは併記し
どうも。あけましておめでとうございます。 ぐずぐずしていたら、年が明けてしまいました。更新量としては相変わらず微妙ですが、ぼちぼち生きてます。 毎年言っていることですが、年末にベストを選ぶ段になるとつくづくイイ映画が多いと思う訳ですが、今年は日本映画が席巻した印象の多い年ですね。楽しい映画がいっぱいありましたが、2016年に「出会えた」映画の中から「たった」10本だけ、「あー・・・これはどうしても選びたい」と思ったものを選んで見たいと思います。 あの映画がない!この映画がない!という方もおりましょうが、ご容赦いただいて、しばしお付き合いください。では参ります。。 10位「殿、利息でござる!」 殿、利息でござる! [Blu-ray] 出版社/メーカー: 松竹発売日: 2016/10/05メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見る感想:勝ったのは百姓!「殿、利息でござる!
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