【ゼロからわかる】危機の震源シリアで何が起きているか〜"参戦"したロシアの思惑から問題の歴史的背景まで 第二次世界大戦後「最大の人道危機」はこうして生まれた 「地獄からの出口」が見えない パリ同時多発テロの大惨事を受け、犯行声明を出した過激組織「イスラム国」(IS)が拠点とするシリア情勢に注目が集まっている。 急速に脅威のレベルを増すISへの対応では国際社会が大同団結すべきだが、現実は、アサド政権を擁護するか否かで立場を異にする米露の代理戦争の様相を強めているのが実情だ。 また、外交交渉で「地獄からの出口」(ケリー米国務長官)が見えない中、中東で地殻変動が起きていることも見逃せない。英仏両国が第一次世界大戦に伴うオスマン帝国解体に合わせ、地図上に線を引いて中東の分割支配を決めた「サイクス=ピコ協定」体制の溶解である。 グローバル・ジハードの新たな温床となったシリアの実情は、様々な要因が複雑