寺町通では、10日にかけて藤袴祭が行われ、特に革堂(こうどう)は、甘い藤袴(フジバカマ)の香りに包まれています。 革堂 革堂(こうどう)は正式には行願寺と称するお寺で、西国三十三所観音霊場の19番札所として信仰を集めています。元は上京(一条小川)にあり、有事には町の人々が集うお堂でもありました。創建は1004年とされ、行円上人によって建立されました。行円上人は、まだ狩人だった時に一頭の牝鹿を射止めたところ、血を流しながらも子鹿を出産した姿を見て心を打たれ、仏門に入ったと伝わります。行円上人は、日ごろから鹿の皮衣をまとっていたところから「皮聖(かわのひじり)」と呼ばれ、上人が拠点とした行願寺も「革堂」と呼ばれるようになりました。 革堂 現在の本堂は、文化12(1815)年に建てられ、堂内には行円上人作と伝える本尊の千手観音像が祀られています。行円上人は賀茂(加茂)社の領地に生えたという不思議