2011年3月に起きた福島第一原子力発電所の事故によって、全村民6000人ほどが避難を余儀なくされた福島県相馬郡飯舘村。仮設住宅への犬猫の同伴避難が認められなかったため、飼い主の多くが犬猫を自宅に残していきました。無人と化した村に、少なくとも約200匹の犬と約400匹の猫が取り残され、飼い主の帰宅を待ちわびていました。私はこれまで90回ほど飯舘村を訪れ、犬猫の撮影をしてきました。事故で犬猫たちの身に起こったこと、そして現状を2回に分けてお伝えします。(フォトグラファー 上村雄高) (末尾に写真特集があります) 山の上の犬たち。人の訪問に鳴き声が響き渡る(2012年2月19日撮影) 私が原発被災地に取り残された犬猫の存在を知ったのは、2011年秋。2012年2月19日から、本格的に飯舘村の犬猫を撮影し始めました。人の姿に歓喜してフードを勢いよく頬張る犬猫たち、鎖につながれた犬たち……。その日