医療法人「徳洲会」グループから現金5千万円を受け取った東京都の猪瀬直樹知事は10日、都議会総務委員会で、現金を受け取る前日に貸金庫を契約したと明らかにした。「帯封つきの新札で、そのまま返した」と述べた。だが、現金授受の経緯で知事の答弁に食い違いが目立ち、都議会は追及を強める構えだ。 猪瀬知事によると、昨年の都知事選前の11月19日午前、徳田毅衆院議員から「5千万円を貸す。借用証を書いてくれ」と連絡があり、妻に貸金庫を契約させた。翌20日夕、受け取った現金を自宅に持ち帰り、「泥棒が入ったら困るから」として、21日に妻が貸金庫に入れたという。 知事は5日の本会議で「大金にびっくりして貸金庫にしまわなければいけないと思った」と答弁していた。説明の変化を問われると、「貸金庫の記録を調べ、正確なところを確認した」と釈明した。