やることが前提組体操は運動会の花形種目である。それゆえ組体操は、やることが前提となってしまう、派手にして感動を呼ぶことが目的となってしまう。このとき、もはやリスクは考慮されず、いかに見栄えのよい組体操を演出するかに関心が向けられる。学校における組体操実践の最大の問題点は、ここにある。 私には、忘れられない1本の電話がある。5月に私がYahoo!ニュースに「【緊急提言】組体操は、やめたほうがよい。子どものためにも、そして先生のためにも」と題する記事を発表した翌日、その電話はかかってきた(*注)。「自分の子どもがかつて小学生のときに、人間ピラミッドの頂点から地上に墜落して重傷を負い、数ヶ月間の絶対安静を強いられました」というのである。 これだけでも重大な事態であるが、その保護者が嘆き強調したのは、事故そのものとは別のことであった。「それだけの重大事故があったにもかかわらず、学校はその翌年も同じ
「ブツを見ているとクロに見え、ヒトを見るとシロっぽく見えてくる。今の時点ではよく分からないから、しばらく見てみないと」――遠隔操作事件の裁判の行方について聞かれると、私はよくこう答えていました。 この写真はスマホではなく、小型ビデオカメラで撮った動画の一コマだった「ブツ」というのは、公判廷で示される検察側の証拠のことで、それを説明する証言も含みます。裁判を傍聴して、そうした証拠・証言を見聞きしていると、「これはクロではないか」という心証が強くなりました。ただ、被告人のPCハードディスクなどについては、弁護側の解析が行われている最中であり、反対尋問も行われていないので、その結果を見ないと、シロクロに関してはなんともいえない、と考えました。 一方、「ヒト」とは、片山祐輔被告のことです。彼の話を聞いていると、巧妙なウソをつける人のようには見えませんでした。感情表現が淡泊すぎて、無実を訴える言葉に
クリミア半島をロシア軍が占拠してからすでに2週間以上が経過している。 日本時間の今日昼にはクリミアのロシア編入を問う住民投票が行われるとあって緊張はさらに高まっており、ロシアやNATOは軍事行動を活発化させている。 これに対してウクライナ側は極右勢力の取り込みによって防衛体制の強化を図っているほか、故意に自国の基地を襲撃させるという陰謀論めいた話まで浮上してきた。 ウクライナ軍の実力ウクライナが独力でロシアに対抗することは難しい。 クリミア半島に駐留していたウクライナ軍は、すでにウクライナ海軍総司令官を初めとして多くがロシア側に投降するか寝返るかしており、ごく少数が武装籠城している状態に過ぎない。 また、セヴァストーポリにほど近いベルベク飛行場にはMiG-29戦闘機を装備する部隊が駐留していたが、これもロシア軍が包囲した上、ウクライナ将兵を閉め出してしまったため、クリミアのウクライナ軍はほ
メディアは初公判をどう報じたか初公判を報じた主要紙(左から読売新聞、東京新聞、毎日新聞)いわゆるPC遠隔操作事件で、威力業務妨害罪などで起訴された片山祐輔氏に対する公判が2月12日、東京地裁で始まった。全ての主要メディアが、「事実無根」「ウイルス作成不可能」「5人目の誤認逮捕だ」といった片山氏本人や弁護側の発言を見出しにつけるなどして大きく報じた。同時に、犯行と片山氏を直接結びつける証拠(直接証拠)がなく、状況証拠・間接証拠の積み上げで犯人と立証できるかどうかが焦点と指摘。勾留が丸1年に及んでいる片山氏が「保釈を認めてほしい」と切実に訴えたことを取り上げたメディアも多かった。なぜか今頃になって「口下手だが、母親思いで、動物好きの優しい男。犯罪に関与したとは思えない」という知人の談話を伝えたメディアもある。(*1) 片山氏が真犯人であるかのように印象づけてきた従来の報道姿勢を修正する兆しがみ
元CIA(米中央情報局)、NSA(米国家安全保障局)職員のスノーデン氏が、情報機関で行われている違法な個人情報収集を告発し、世界に波紋が広がっております。9月5日には米ニューヨーク・タイムズと英ガーディアン紙が、スノーデン氏の提供した文書から、米英の情報機関がインターネットの通信の秘密を守る暗号までも破っていると報じました。 この報道は、日本のメディアでも引用の形で報じられていますが、ニューヨーク・タイムズ等の元記事を確認すると、どうも告発したスノーデン氏の意図と少しズレているのではないかと感じました。では、日本の報道をいくつか引用してみましょう。 アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズは、アメリカとイギリスの情報機関が、インターネット上で広く使われている暗号の解読に成功し、銀行の決済や、医療記録などの個人情報をひそかに収集していると伝えました。 これは、アメリカの新聞ニューヨーク・タイムズ
4人を誤認逮捕し、うち2人から虚偽の自白を引き出したことが明らかになっているPC遠隔操作事件。威力業務妨害容疑で逮捕された片山祐輔氏は関与を否認している。当初は、事件と片山氏を結びつける決定的な証拠があると報じられ、警察は絶対的な自信を持っているように見えたが、その後も160人もの捜査員を動員して証拠集めを続けるなど、苦労している状況も伝わってくる。 片山容疑者の弁護人となったのは、足利事件で菅家利和さんの無実を証明するなど、刑事事件の経験豊富な佐藤博史弁護士だ。佐藤弁護士に、2月19日時点での弁護人としての考えや主張を聞いた。 【弁護人となるいきいさつ】ーー佐藤先生がなぜ弁護人に? 報道で彼の逮捕を知った時には、他の方と同じように、警察がこれだけの発表をしたのだし、まず間違いないのだろう、ただ本人は否認しているんだな、と思っただけでした。彼が当番弁護士を要請し、その時にたまたま当たったの
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