日銀総裁人事紛糾で経済低迷なら ≪無為無策を決め込む姿≫ 英エコノミスト誌(2月23日号)の「JAPAiN(日本の痛み、『JAPAN』と『pain』の合成)−世界第2位の経済国は落ち込んだままだ/その原因は政治にある」と題された記事は、度々、メディアで紹介され、反響を呼んでいる。これは、要するに、「日本の政治の質が劣悪だ」という趣旨の記事である。 サブプライム・モーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅ローン)の焦げ付きに端を発した国際経済の混乱を前に、「世界第2の経済大国」であるはずの日本は、無為無策を決め込んでいる。この記事からは、そうした落胆が伝わってくる。 筆者は、「JAPAiN」記事の趣旨には概(おおむ)ね賛成する。それと同時に、塩野七生著『海の都の物語』の中の次の記述を思いだす。 「資源に恵まれないヴェネツィアのような国家には、失政は許されない。それはただちに、彼らの存亡につながっ