洋の東西を問わず、それぞれの文化には宗教的な地獄という概念があり、 そしてその地獄は決して終わりのない絶望的な苦痛と恐怖の繰り返しというイメージがある。 そこには当然、救いなど無い。 救われるのならとっくに天国に行っているので、 文字通り救いようのない人間こそが地獄に落ちることになっている。 つまり、地獄という概念の存在が、すでに、人に対する救済の断絶という選択肢を用意してしまっているのだ。 現代は宗教の影響が非常に薄まっているので、 例えば憎まれ口を利く時に「地獄に落ちろ」などといった時代がかったことを言う人は少ないが、 だがしかし地獄という概念を理解しない人はほぼゼロと言っていいくらい、人々の深層意識には根付いている。 その深層意識が、現実世界の犯罪者に向かって浮き彫りになってきているのではないか。 そして、厳罰を望み、更生という認識が薄い人たちの思考の原理には、 この地獄の概念が横た