中国国内で初めて、新型コロナウイルスの発生を警告して公安(警察)に罰せられ、その後、自らもコロナウイルスにかかった武漢市中心病院の李文亮医師(享年31)の訃報に、中国全土が騒然となったのは、2月上旬のことだった。あれから約1カ月を経て、再び1人のコロナウイルス患者のミステリーを巡って、大騒動になっている。 どうやって武漢から北京に来たのか? この患者は、「H」という頭文字の姓を持つ女性ということしか分かっていない。そのため、「H女士」と呼ばれている。「女性の性は『黄』(Huang)であり、名前の最後の文字は『英』である」として、「黄某英」「黄女士」などと記すメディアもあるが、これは確定したものではない。 このミステリーは、2月26日、北京市東城区崇外街頭という首都の中心地区の一角にある高級マンション群「新怡家園」の1階掲示板に、緊急の張り紙が出されたことから発覚した。そこにはこう書いてあっ