「待機児童ゼロ」「電柱ゼロ」「満員電車ゼロ」-。東京都の小池百合子知事は、生活に密着した分野の課題を「ゼロ」にすることを目指す公約を掲げ、平成28年の知事選で大きな支持を得た。就任から1年5カ月がたった今、取り組み状況や見通しを検証すると、「ゼロ」実現に向けた険しい道のりが浮き彫りになった。 待機児童ゼロ 「私が就任してから最重要課題と位置付けてきた」。小池氏がそう自負し、投資してきたのが待機児童対策だ。 32年春までの4年間で、保育所などのサービスを利用する児童数を7万人増やし、待機児童をゼロにする目標を掲げる。就任直後に補正予算を組んだほか、29年度当初予算でも1381億円を充当。保育所増に向け、家賃補助を手厚くしたり、保育所用地を貸した人の固定資産税などを減免したりと施策を打つ。 だが、29年4月は計画通りに利用児童を増やしたものの、拡大する需要に追いつけず待機児童は8586人だった