今回からは,著作権法やDRM技術に詳しい専門家のインタビューをお届けする。まずは,知的財産法学の大家である中山 信弘氏に聞いた。(本稿は,日経エレクトロニクス,2008年3月10日号,pp.62-63から転載しました。内容は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります) 中山 信弘氏 東京大学 法学政治学研究科・法学部 教授 現在の著作権法がパンクしてしまっているのは,誰の目にも明らかです。現行の著作権法は,プロのクリエーターとプロのメディア企業との契約を想定しています。制定当時は関係するプレーヤーが限られていたんです。それがインターネットの登場やデジタル技術の発展で,誰もが関係する法律になった。機器メーカーも含めたいろいろな企業,そして一般の人たちもかかわってきます。それなのに,1件1件の許諾を前提としている。つまり,マスに対応できていないんですね。 では,どう直したらいいの
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