仮住まいの次の住宅をどう確保するか。熊本地震から2年になるのを前にした朝日新聞の被災者アンケートでは、いまだ日常を取り戻せず、何かを諦めざるを得ない悩みの深さが浮かび上がった。自宅再建が進んでいる人も、元の暮らしに戻れるか不安を抱いている。 熊本市南区城南町藤山の介護福祉士、峯愛(みねあい)さん(28)は7月、夫の将洸(まさみつ)さん(28)と念願の結婚式を挙げる。結婚したのは2年前の1月。秋に式を挙げる予定だったが、4月に地震にあい、自宅が全壊した。新しい家を建て、三重のローンがのしかかる厳しい家計を考え、ドレスではなく家にある着物を着て、衣装代を節約するつもりだ。 激震に襲われたのは、両親らと暮らす自宅を2世帯仕様にリフォームした2週間後。「みんなで一つ屋根の下で住み続けたい」と仮設住宅には入らず、車中泊や敷地内のコンテナハウスで雨露をしのいだ。 17年6月、1階の面積が元の半分ほどの