「一人娘をなけなしの貯金で進学させたい。お許しいただきたい」。こうした謝罪文が、埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)の岡秀昭教授(感染症科)の元に次々と届いている。差出人は過去に誹謗(ひぼう)中傷を投稿した人物だ。新型コロナウイルスを巡っては、多くの医療従事者が中傷にさらされた。岡教授は被害をなくそうと、悪質な投稿者の情報開示や賠償を請求している。中傷との戦いは、コロナ禍が沈静化した今も続いている。
「一人娘をなけなしの貯金で進学させたい。お許しいただきたい」。こうした謝罪文が、埼玉医大総合医療センター(埼玉県川越市)の岡秀昭教授(感染症科)の元に次々と届いている。差出人は過去に誹謗(ひぼう)中傷を投稿した人物だ。新型コロナウイルスを巡っては、多くの医療従事者が中傷にさらされた。岡教授は被害をなくそうと、悪質な投稿者の情報開示や賠償を請求している。中傷との戦いは、コロナ禍が沈静化した今も続いている。
──岸田首相も述べていた「5類感染症」への変更、岡さんはどう思いますか。 岡:まず誤解してほしくないのは、現在、新型コロナの死亡率は減っていますが、それはオミクロン株の病原性が下がったからだけではない、ということです。肺炎を起こす確率が高かったデルタ株に比べれば重症化のリスクは下がっていますが、実は病原性はそれほど変わっていません。 それにもかかわらず、死亡率が減っているのはなぜかというと、ワクチンです。さらに治療薬の登場や、皆さんの感染予防意識という複合要因によって、ようやくここまで死亡率を下げることができました。 5類の議論が出てきたからといって、新型コロナは大した病気ではないといった誤った解釈や、5類になったから病原性が低くなったなどと誤解しないことが大切です。 ──新型コロナは季節性インフルエンザと同等、あるいはそれ以下だと言う人もいます。 岡:死亡率は同等かもしれませんが、新型コ
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