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POPなポイントを3行で 吉浦康裕『アイの歌声を聴かせて』レビュー 『イヴの時間』から変化したAIへの価値観 近年の劇場アニメの演出を物語としても成立 劇場アニメというと、大きく分ければ二種類が存在する。テレビシリーズやOVAなどの劇場版と、劇場で初めてアニメ化されるタイトルだ。または、アニメファン向けのコアタイトルと、一般大衆にも向けて公開される作品というジャンル分けも可能だろう。 現在公開中の作品でいうのであれば、『劇場版アルゴナビス 流星のオブリガート』はコアタイトルで、『アイの歌声を聴かせて』(通称・アイうた)は後者なのではないかと筆者は考える。 『アイうた』劇中でのセリフにもあるように、一般大衆向けのオリジナル映画では「少年少女が物語を牽引し、世界を揺るがす大事件を解決する」ことがままある。 ひとつのギミック(キャラクターないし場所・コト)に主人公たちが巻き込まれ、陰謀渦巻く事象
「イヴの時間」「サカサマのパテマ」の吉浦康裕監督による10年ぶりに近い新作アニメーション映画「アイの歌声を聴かせて」が公開された。 舞台はAI実証実験地区。アンドロイド研究者の母と2人で暮らすサトミのクラスにある日、芦森詩音が「転校」してくる。「サトミ、今、しあわせ?」と繰り返し、突然歌い踊り出すなど破天荒な詩音の正体――母の関わる試験機――を周囲から隠すべく奮闘するサトミの日常は、幼馴染のトウマらとの交流から徐々に変わっていく。しかしある日の出来事をきっかけに、彼らに危機が訪れる……という、SF要素を含んだ青春群像劇である。 監督を語る上で欠かせないのが「イヴの時間」の存在だ。 Yahoo動画(現在のGYAO!)でWeb配信オリジナルアニメーションとして2008年から順次公開され、2010年には長編劇場版として再構成された同作は、家庭用アンドロイドと人間が共生する喫茶店を舞台とした会話中
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