「しんどい」。スマートフォンやパソコンの文字が読めない。ぐらぐら動いているように感じ、意味が頭に入らない。思わず目を背けた。さいたま市の会社員、孝さん(46)=仮名=は、認知機能が低下する「ブレインフォグ(脳の霧)」に半年間苦しんだ。新型コロナウイルスの後遺症の一つとして知られる症状だ。
「一度寝ると17時間は起きられない」急増する『オミクロン株の後遺症患者たち』訴えるのは強い"だるさ"症状だけでなく"周囲の理解"得られず「二重の苦しみ」 5月3日時点で新型コロナウイルスに感染した国内の陽性者数は約793万人。その一方で、コロナ患者の増加によって今後も増えてくると考えられるのが「コロナ後遺症」だ。比較的症状が軽いといわれているオミクロン株でも、後遺症になると全身のけん怠感や頭痛などで学校や職場に行けなくなってしまう人が大勢いる。今回、コロナ後遺症に対する確立された治療法がない中で、一筋の光を探る医療現場の実情を取材した。 コロナ後遺症に悩む中学生”起きられず”学校に『行きたいけど行けない』 東京・渋谷区にあるコロナ後遺症の専門外来「ヒラハタクリニック」。いま、日本で最も忙しいクリニックと言っても過言ではない。 (平畑院長)「いま一番困っていることは何かありますか?」 (Aさ
重症化リスクが低いとされるオミクロン株でも、新型コロナウイルス感染症の後遺症は深刻だ。東京都渋谷区の「ヒラハタクリニック」(平畑光一院長)の調査では、オミクロン株の流行後に後遺症外来を訪れた患者の6割が休職を余儀なくされるなど、社会生活の維持に支障を来す人が後を絶たない。(佐藤航) 2月末、ヒラハタクリニックを受診した20代男性は座っているのもつらい様子だったという。平畑院長によると、男性は仕事に行けず、風呂に入るのも難しいと説明。診察室で横になり、「いつになったら働けますか」と尋ねたが、3月下旬になっても職場復帰できていない。 感染当初、男性の症状は軽かった。自宅療養を経て熱も下がったが、重い倦怠感や気持ちの落ち込みが続いている。平畑院長は「オミクロン株は症状が軽いと言われるが、後遺症については、そんなことは全くない」と指摘する。
新型コロナウイルスに感染したあと、後遺症とみられる強いけん怠感などで仕事を辞めたり休んだりして“働けない”という人が相次いでいることが診療に当たる医師の調べで分かりました。 診療したうち、仕事をしている患者の66%が仕事に影響が出ているということで、感染状況は減少傾向になっても後遺症の課題は残されたままです。 東京 渋谷区で新型コロナの後遺症外来を設けている「ヒラハタクリニック」は、これまでに後遺症に悩む患者2700人余りを診てきました。 クリニックによりますと、今月10日時点で後遺症の疑いがあると診断した患者で、仕事をしている1507人のうち仕事に影響が出ているとみられる人が1003人、率にして66%に上っていることが分かりました。 ▽休職した人が594人、 ▽解雇や退職、廃業となった人が85人、 ▽長時間働けず時短などとなった人が165人などとなっています。 後遺症で仕事に影響が出る要
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