その誕生を地元新聞も経済新聞も記事にしなかった。2年後、『コードの情報を白黒の点の組み合わせに置き換える』と最下段のベタ記事で初めて紹介された時、その形を思い浮かべることができる読者はいなかった。いま、説明の必要すらない。QRコードはなぜ開発され、どう動くのだろうか。 QRコードは、自動車生産ラインの切実な要請と非自動車部門の技術者の「世界標準の発明をしたい」という野心の微妙な混交の下、1990年代前半の日本電装(現デンソー)で開発された。 トヨタグループの生産現場では、部品名と数量の記された物理的なカンバンが発注書、納品書として行き来することで在庫を管理する。そのデータ入力を自動化するバーコード(NDコード)を開発したのがデンソーだ。 バブル全盛の1990年ごろ、空前の生産台数、多様な車種・オプションに応えるため、部品も納入業者も急激に増え、NDコードが限界を迎えていた。63桁の数字しか
ゲーマーならずとも多くの人が一度はプレイしたことがあるであろう、おなじみの落ち物パズルゲーム『テトリス』。1980年代にソビエト連邦科学アカデミーの研究者アレクセイ・パジトノフ氏が開発して以来、非公式なものも含め非常に数多くのバリエーションが生まれている。もっとも多くのプラットフォーム・デバイスに展開しているゲームフランチャイズの一つと言えるのではないだろうか。そして、『テトリス』の生まれ故郷のロシアでは、また新たなプラットフォームに移植されたようだ。海外メディアJalopnikなどが報じている。 『テトリス』が移植されたのは、ロシアの大手自動車メーカーGAZが製造しているトラック「GAZelle Next」である。トラックのほかにワゴンやバスのバリエーションもある。とはいえ、標準装備のカーナビにゲームモードが付いているとか、そういう話ではない。ある特定の操作をすることで、インパネ(計器盤
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