投資用不動産向け融資で多額の貸倒引当金を計上しているスルガ銀行の連結最終損益は961億円の赤字(前年同期は347億円の黒字)だった。不祥事に伴いこの1年間で預金は8000億円超減ったが、足元で減少幅は縮小している。金融庁の行政処分で主力の不動産融資は止まっているが、過去の融資に伴う収益を支えに本業の利益は地銀5位を保っている。スルガ銀ではシェアハウスを含む投資用不動産向け融資で、借り入れ希望者
静岡県の地銀2番手ながら、全国区の知名度を誇る。その背景には社会の変化を見通す眼力と旺盛なチャレンジ、IT技術の活用があった。オーナーと経営陣が議論を重ねて進める異形の経営の本質。 会議で沈黙は許されない スルガ銀行(静岡県沼津市)の経営方針を決める取締役会は、毎月1回、東京・日本橋にある東京支店の会議室で行われる。 会長、社長以下7名の取締役と3名の社外取締役が出席し、ここに監査役が加わる。毎回15名ほどの出席者で1時間程度、激論が交わされる。 経営トップの指示が言い渡されるだけの静かな会議ではない。幹部が粛々と報告するだけの儀礼的な会議でもない。会議室にあるのは、役員が侃々諤々と議論する喧騒だ。沈黙は許されない。 経営の機微に関わるため、詳細は記せないが、ある日の経営会議では社内システムを将来的に海外の業者に委託するか、その際のガイドラインについて議論が交わされた。 スルガ銀行のオーナ
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