伝言ゲームで2時間もかかる またしても、東京電力の「原子力事業者」としての資質に疑問を抱かせる“事件”が起きた。 先週火曜日(11月22日)の早朝、福島県沖を震源とするマグニチュード7.4の地震が発生し、沿岸に高さ1m前後の津波が押し寄せつつある最中のこと。福島第二原発3号機の使用済み核燃料貯蔵プールで冷却ポンプが停止したにもかかわらず、避難の周知に必要な報道機関への連絡に東電がほぼ2時間を要したのだ。 冷却機能の喪失が響いて、人類史上最悪の原子力事故となった福島第一原発の大事故から5年以上が過ぎた今年6月。事故当時の清水正孝社長の指示で、メルトダウン(炉心溶融)を炉心損傷と矮小化する「メルトダウン隠し」の事実を認めて、各方面に行った謝罪は何だったのか。 相変わらず迅速な情報開示が行われず、安全に無頓着な企業文化を露呈した。 そんな企業文化にもかかわらず、東電をめぐって2つの乱暴なプランが