アイドルという存在は、自分の中では縁遠いものだった ──「推し武道」の監督を勤めることになった経緯を教えてください。 山本 「ヤマノススメ」などもそうなんですが、(制作スタジオの)エイトビットにいると葛西(励)社長がなにかしら仕事を持ってきてくれるんです。僕の適性をわかってくれていて「山本にはこういう作品が合うだろう」というものを選んで声をかけてくれるんですね。 「推し武道」もそのパターンで監督のオファーをいただきました。とは言っても、どんな仕事も受けているというわけではなく、別の原作で以前「山本さん、アイドル物ってどうですか?」と声をかけてもらったこともあったのですが、その時には「原作はすごく面白いのですが、僕の中にはアイドル物のスイッチが無いみたいです」とお断りしたことがあります。だから、「推し武道」も最初コミックスの表紙を見て「アイドル物かあ…」と思って構えていたのですが、タイトルか