民主主義の根幹であるとともに、政治家の政治生命にも直結する選挙制度。しかし、最高裁は今年3月の判決で、現行の衆院選小選挙区で生じた「一票の格差」が「法の下の平等を定めた憲法の要求に反する」として「違憲状態」と断じた。これを受けて、与野党も重い腰を上げ、10月から本格的な見直し議論を始めたが、そこは党利党略がからみあう永田町。それぞれが自らに有利な改革案を主張しあい膠着(こうちゃく)状態が続いている。(岡田浩明) 最高裁が「違憲状態」と判断したのは、政権交代につながった平成21年の衆院選だ。各選挙区から選出される議員数と有権者数のかねあいで生じる「一票の格差」は最大2・30倍。有権者数が最少だった高知3区の有権者の一票の価値を「1」とした場合、有権者数が最多の千葉4区では「0・43」の価値しかない不平等が生じているという計算になる。 どうしてこんなに差が生まれるのか、現行の小選挙区比例代表並