雪の降るアメリカ中西部の田舎町に響き渡るエンジン音。 「おれの車には文句のつけようがないよ」 電気自動車への関心をたずねる質問に、ピックアップトラックを運転する男性がこう答えた。これがアメリカ人のクルマだと言わんばかりの表情で。1月20日就任したバイデン大統領の最初の仕事はパリ協定への復帰。新政権は国際協調を重視し、電気自動車や再生可能エネルギーの普及など地球温暖化対策を推進していくという意思表示だ。しかし、環境政策が急進的になれば、この国を悩ませる国民の分断がさらに深まってしまうかもしれない。(ワシントン支局記者 吉武洋輔)