「和解せずに何もしないのはメリットがない」 ── 日本の出版業界はどういった対応をしていますか? 津田:日本の出版業界では今年の2月くらいから話題になって、各出版社の法務担当がどう対応すればいいのかかけまわっている状況です。 この辺、企業によってまちまちなんです。例えば講談社は出版権のみで、オンライン配信については著者で勝手にやってくれという考え方です。集英社や小学館などは、和解に参加するやり方と推奨する方針を示したうえで、著者に任せるという感じですね。 ただ「和解から離脱して何もやりません」と言うのはあまりメリットがないので、それはやめようと。温度差はありますが、とりあえず和解には参加してそれから考えようという方針のところが多いようです。 津田:あと、そもそも日本の出版業界は、著者に著作権が残るのかどうか、あいまいにしていたところがあるんですよね。 ── と言われますと? 津田:日本の出