「なんで変わったのか、本当のところを知りたい」 日本陸上競技連盟の瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、こう選手の気持ちを代弁した。 開催都市「東京」で行われないことが急転直下で決まった来年のオリンピックのマラソンと競歩。IOC=国際オリンピック委員会は、選手の命と健康が第一とする「アスリートファースト」を強調。しかし、その決定の過程では多くの選手の思いが置き去りにされてしまった。何をもって「アスリートファースト」なのか。 (スポーツニュース部記者 本間由紀則) まだ暑さが残る9月、日本の陸上界にとって歴史的なマラソンレースが行われた。 レースの名は、MGC=マラソン グランド チャンピオンシップ。厳しい選考条件をクリアした選手たちが東京オリンピックのコースを舞台に“一発勝負”で自国開催の日本代表を争った。 男子は、設楽悠太がいきなり飛び出して独走。終盤は、設楽をかわした3人がデ