【小林至教授のスポーツ経営学講義】 金持ちケンカせず、とはいかないようだ。MLB(米大リーグ機構)の経営者と選手会の非難の応酬が久しぶりにヒートアップしている。 キャンプインしてなおFA(フリーエージェント)選手のうち100人以上の契約が決まらない異常事態(現時点でも60人以上!)に対し、選手会は経営者側の共謀を疑い、MLBは大勢のクライアントを抱える代理人が強欲な契約を欲して譲らないからだと、なじり合いをしている。 1994年に労使紛争がワールドシリーズ中止にまでに高じて以降は、国際市場という新フロンティアがみつかったこともあり、労使協調の平和の時代に入ったMLB。売上、年俸共に上昇カーブを描き、売上は当時の6倍(1兆円を突破)、平均年俸も4倍(5億円に迫る)になった。 直接的な理由は、大都市のチームが動いていないから。MLBは伝統的にローカル収入(最大はローカルテレビとの契約、次に入場