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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/joyce (4)

  • 中古ショップで見える「貧困」の真実

    時々僕は、自分が周りの人々とは違った経済的「空間」に暮らしているのだと思い知らされる。 他人と比べてすごくリッチだとか貧しいとかいうことではない。むしろ言いたいのは、僕が基的には「ミコーバー派」だということ。ミコーバーはチャールズ・ディケンズの小説『デイヴィッド・コパフィールド』の登場人物で、幸福とは収入より支出を小さくすることであり、不幸とはその反対だ、と明確に説いている。 先日僕は、中古DVDショップ(と僕は呼んでいる)を見て回っていて、「反ミコーバー派」はいかにして振る舞うのか、というのを目の当たりにした。 多くの人々にとって、この手の店は現代の質屋のようなものだ。彼らはカネに代えられそうなものを持ち込む。見終わったDVDに限らずテレビゲーム機やiPadや日曜大工道具だってそうだ。 【参考記事】栄華を誇った英スーパーの衰退 1軒目の店で僕の近くに立っていた女性は不安げな様子でスマ

    中古ショップで見える「貧困」の真実
  • 「イギリス人は階級が9割」......じゃない!

    僕は気でニールのことを心配している。トニーのような情熱がほしい。チャールズにはがっかりさせられる。ニックの成功は感心するけれど、いちばん喜べるのはポールのことだ。ジョンは思っていた以上に好きになったけど、ブルースにはイライラする。もっとも、ブルースだって10年前に会っていたら誰より気に入ったかもしれない。なぜだかわからないけど、「女の子たち」にはあんまり感情移入しない。とりわけスージーには。 何のことか説明しなければ。僕はいま、10年以上気になりながらずっとできずにいたことを実行している真っ最中。『UP』というドキュメンタリーシリーズをぶっ続けで見ているのだ。僕的にはこれはおそらく、史上最高傑作のドキュメンタリー番組の1つ。14人のイギリス人の人生を、何十年もかけて追ったシリーズだ。 初放送は1964年。主演者全員が7歳だった。以来、7年ごとに『7UP』『14UP』というタイトルで彼らの

    「イギリス人は階級が9割」......じゃない!
  • フーリガンの「パリ事件」に隠れた逆差別

    僕は仕事をするときにBBCのニュースをつけっぱなしにしていることがある。でも何時間かするとイライラしだしてしまう。世界ではさまざまな出来事が起こっているのに、同じことを何度も繰り返しているからだ。 ある日なんか、イギリスのサッカーチーム、チェルシーのサポーターがパリでやらかした騒ぎをトップニュースのように扱っていた。地下鉄に乗車しようとする黒人男性を邪魔して、「俺たちは差別主義者だ、差別するのが好きなんだ」という掛け声を繰り返したというニュースだ。 もちろん許される行為ではないが、大事件のようには感じられなかった。ところが後になって、この出来事は外国で広く報じられ、イギリスでも多くの新聞に掲載されたと知った。 こんなネタが取り上げられるのは、ある意味信じられない。70~80年代のイギリスに暮らしたことのある人間は誰だって、サッカーに暴力沙汰がつきものだったことを知っているからだ。 アメリカ

    フーリガンの「パリ事件」に隠れた逆差別
  • ラグビー嫌いのイギリス人さえ目覚めさせた日本代表

    スポーツというのは不思議なものだ。子どもの頃、僕は不運なことにラグビーをやる学校に入ってしまった。僕はラグビーがとことん嫌いだった。僕の学校の校庭はひどい粘土質で、ほんのちょっとでも雨が降れば、すぐにどろどろの沼地のようになった。 そんな校庭で、ほとんど誰も好きじゃないラグビーのために、僕たちは泥の中でダイブさせられた。ラグビーとはまず間違いなく汚いもの、そして時には寒くて痛いものだった。 イングランドでは、ラグビーといえば上流階級の子供のいく私立学校でやるものと決まっている。だから、公立学校である僕たちの学校がラグビーをするのは、上流の学校のまねごとをしていますよと宣言しているようなものだ。そのせいでまわりの学校の子供たちからは嫌われ、嫌がらせをされることもあった(嫌がらせされないのはラグビー部の部員だけだった)。 その悲惨な学校に11歳で入学するまで、僕たちのほとんどはラグビーなんて一

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