東日本大震災によって、日本の電力システムがいかに脆弱かが明らかになった。 現状の電力供給体制では、今夏の電力需要を賄えない恐れがある。 しかし、供給を増やすことは容易ではない。原子力発電所の増強は、近隣住民の理解を得るのが難しい。とはいえ、火力発電に頼り、地球温暖化ガスを増加させるわけにもいかない。 では、どうするか? 大学やシンクタンクの研究者、エネルギービジネスに携わるビジネスパーソンに、電力需給ギャップ問題の解決策を提示してもらう。 第1回は 東京大学エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP) 企画・推進責任者 横山 禎徳 今回、「クリーン・エネルギーはダーティ・エネルギー」に一瞬にしてなり得ることを福島第1原発は示した。事故が起こらなければ温暖化ガスが発生しないという意味でクリーンだが、いったん事故が起こるときわめてダーティになる。しかも長期にわたって尾を引き、そう簡単