タグ

ブックマーク / diesixx.hatenablog.com (6)

  • ジジはなぜ言葉を失ったままなのか―『魔女の宅急便』(宮崎駿) - Devil's Own

    Kiki's Delivery Service/1989/JP 『魔女の宅急便』について書きたいと、かれこれ3年くらい思い続けていました。宮崎駿の監督作の中でも屈指の人気作だから、特別な思い入れを持つ人も多いとおもう。私なんかよりもずっと多くの回数を繰り返し見ている人だっているだろう。私がこの作品について深く考える直接のきっかけとなったのは宗教学者、島田裕巳の『映画は父を殺すためにある―通過儀礼という見方』を読んだことだ。『ローマの休日』や『スタンド・バイ・ミー』などの名作を「通過儀礼」という視点から分析することで、テーマやメッセージをつまびらかにする論評集で、映画(特にアメリカ映画)を読み解く格好のテキストになっている。そののなかに『魔女の宅急便』を扱った章がある。タイトルは「『魔女の宅急便』のジジはなぜ言葉を失ったままなのか?」。ここで島田は『魔女の宅急便』、ひいてはジブリ作品全般に

    ジジはなぜ言葉を失ったままなのか―『魔女の宅急便』(宮崎駿) - Devil's Own
  • 『惡の華』(長濱博史) - Devil's Own

    "The Flower of Evil"2013/JP 久々に毎週見はまってしまったテレビアニメ『惡の華』が最終回を迎えた。ほとんど無理やり「終わらせた」といってしまっていい。第二部は作られるのか。作られるとすればどのような形なのか。最後の最後までやきもきさせられっぱなしだったが、さまざまなトピックを提示してくれた「問題作」ということは間違いないとおもう。ちなみに原作は2年ほど前に1巻だけ読んだきり、なんとなく続刊を買わずにそのままだった。1巻が面白かった記憶があったのでアニメを見始めたわけだけど、結果としてはかえって作品を楽しめた、と思っている。 『惡の華』は実撮映像をトレースしアニメーション化するロトスコープ技法が用いられている。『白雪姫』でも使用された伝統的な技法で最近では『スキャナー・ダークリー』も記憶に新しいのだが、なんでも日テレビアニメで全編ロトスコープ製作は初めてという。

    『惡の華』(長濱博史) - Devil's Own
  • 『風立ちぬ』(宮崎駿) - Devil's Own

    "The Wind is Running"2013/JP ここ数週間、映画を見に行けば、ほとんど強制的に『風立ちぬ』の予告編を見せられたわけだが、それでも4分間の映像には並々ならぬ力を感じずにいられなかった。矢も盾もたまらずひさしぶりに公開初日に早起きして映画館に向かったのだった。結論からいうと私は『風立ちぬ』という作品の魅力がいまいちわかりませんでした。わからなかったのだけど、今後2度、3度と見るうちに何かが印象が変わるかもしれないという気もしている。とりあえず今の感想を書き留めておきたい。 『風立ちぬ』はゼロ戦の設計で知られる堀越二郎の半生に堀辰雄の小説『風立ちぬ』の物語を交えたフィクションです。小説『風立ちぬ』じたいが堀辰雄の実体験を基にしているので、この映画は同時代を生きたふたりの男の人生を組み合わせた物語といえる。さらにそこには、反戦主義者でありながら戦闘機にどうしようもなく魅か

    『風立ちぬ』(宮崎駿) - Devil's Own
  • 『エイリアン4』(ジャン=ピエール・ジュネ) - Devil's Own

    "Alien:Resurrection"1997/アメリカ インターネットが浸透して、それまでパブリックな批評では黙殺されがちだったジャンル映画や続編映画についての評価を目にする機会も増えた。これは当にいいことだとおもう。こうした流れの中で『エイリアン4』のファンも意外に多いことがわかって驚いた。いまや売れっ子監督であるジャン=ピエール・ジュネのハリウッド進出作である。世の中には「映画好き」を自称する「アメリ好き」という人種がいて、そういう人たちが『エイリアン4』に興味を持ったためしがない。いや、私も『アメリ』はふつうに好きですよ。しかし、ジャン=ピエール・ジュネの最高傑作は間違いなくこの『エイリアン4』ではないか。実際ジュネのキャリア全体から見ても、『エイリアン4』は異色どころか、以前/以後というタームで語ることができるほどの重要作だ。具体的な変化として、それまでタッグを組んでいたマル

    『エイリアン4』(ジャン=ピエール・ジュネ) - Devil's Own
  • 今すぐ使える!映画ドラえもん全作品レビュー - Devil's Own

    あけまして、ぼくドラえも…すみません発作が。あけましておめでとうございます。ダイシックスです。今年もよろしくおねがいします。 かねて予告していた通り年末に劇場映画ドラえもん全30作を見終えました。作品ごとにtwitterで感想をつぶやいていたのですが、140文字では表現しきれない部分もあるので、これを基にした全作レビューをまとめておきます。一応、これが私の感想文決定稿です。冬休みの宿題や受験の手引きなどにどしどし活用していただければいいかとおもいます。 後日追加:ネタバレ含みますので各自ご判断願います。 1.『恐竜』〜『大魔境』 「大長編ドラえもん」は映画化を前提とした連作シリーズで、第18作『ねじまき都市冒険記』まではほぼ毎年、藤子・F・不二雄自身の手で原作が描かれている(病床に伏していた1988年『パラレル西遊記』を除く)。藤子氏が手掛けた大長編を見たり読んだりしていると、その多くが「

    今すぐ使える!映画ドラえもん全作品レビュー - Devil's Own
    s_atom11
    s_atom11 2011/01/05
    30作全部見たってすごい。/@DieSixx 『パラレル西遊記』の脚本はもとひら了氏ですよ。ジャイアン役のたてかべ和也氏と混ざってます。
  • 『スペル』 - Devil's Own

    サム・ライミ久々のホラー映画。すぐれたホラー映画を見ているときになぜだか笑いが洩れてしまうという経験は多くの人が持っているとおもう。ホラーをホラーたらしめている「こわい」という感覚についてストイックに突き詰めていく黒沢清のような作家もいるが、恐怖と笑いとがほとんど近似値であるという実感は漠然と共有されてはいる。こうした恐怖と笑いのふしぎな漸近線の極北にライミの鮮烈なデビュー作『死霊のはらわた』があったのではないだろうか。『スペル』は、いくつかの商業映画を手がけることによって体得した知性や運動神経を、自らのオリジンに落とし込んだいわば原点回帰作品である。冒頭にデビュー当時のユニバーサルピクチュアのロゴマーク*1を使用しているのも、彼なりのステートメントであろう。実際、この映画に目新しい要素は皆無といっていい。威勢のいい人体破壊こそ抑えられているものの、どろどろとした液体表現、不吉の前兆として

    『スペル』 - Devil's Own
  • 1