山田全自動 @y_haiku WEB漫画家。昭和58年生まれ。 本名は山田孝之。書籍「山田全自動の落語でござる」発売中です!ブログ→ zenjido.blog.jp 📗書籍「山田全自動でござる(BOOKぴあ)」「落語でござる(辰巳出版)」「日本文学でござる(辰巳出版)」 など✉️ taka3004@gmail.com instagram.com/y_haiku/
庵野秀明の脚本・総監修で樋口真嗣が監督した映画『シン・ウルトラマン』が絶好調だ。1966年にテレビ放送された『ウルトラマン』からのファンも、平成以降のウルトラシリーズの視聴者も取り込み、次を望む声も聞こえ始めている。映画ではそうした声にすぐには応えられそうにもないが、『シン・ウルトラマン』に似たコンセプトで書かれた小説なら、実はいくつも刊行されている。 一口に『ウルトラマン』のファンと言っても、魅かれるところは人それぞれである。ただ、概ね「怪獣派」「ウルトラマン派」「巨大フジ隊員派」の三つの派閥に分類できるのは明白だろう。 「SFマガジン」2016年8月号に作家の小林泰三が、「巨大フジ隊員のこと」というタイトルで寄せた文章で示したこの指摘が正解だったことは、『シン・ウルトラマン』を見た人なら分かるだろう。怪獣であり外星人といった異形の存在から醸し出される魅力と、ウルトラマンという孤独なヒー
AI監獄ウイグル 作者:ジェフリー・ケイン新潮社Amazonこの『AI監獄ウイグル』は、近年弾圧が激しくなっているとされるウイグルで、実際に何が行われているのか、150人以上のウイグル人の難民、技術労働者、政府関係者、元中国人スパイにインタビュー取材をしその結果をまとめた一冊になっている。 本書で描き出されているのは、チャットアプリによるメッセージや電話がすべて監視され、家の前には個人情報が詰まったQRコードが貼られ、身体情報から移動履歴などすべてのデータを元に犯罪を起こす可能性のある人物をAIが自動的にピックアップする「デジタルの牢獄化」したウイグルの姿である。これまで、断片的なニュース情報を読むことでウイグルで相当なことが行われていることはわかっていたつもりだったが、実際に収容所などを体験した人物のレポートはあまりにも衝撃的だ。 読み終えた夜は、自分が強制収容所に入っている悪夢を見たぐ
『Dying: 1983』や『DYING: Reborn』を手掛けた中国の開発スタジオNEKCOM Gamesによる新作RPG『昭和米国物語(Showa American Story)』が発表された。プラットフォームはPS4/PS5/PC。 舞台は昭和66年のアメリカで、強大な経済力を手にした日本の文化的植民地となっている。言うまでもなく架空の設定だが、日本経済がピークを迎えていた昭和末期、多くのアメリカ人が恐れていたような実態がもしも本当に起きていれば、というような設定と言えるだろう。鯉のぼりや招き猫に地蔵、それからラムネのような飲み物といった日本的な要素で彩られたアメリカ。自由の女神が着物を身に纏ってしまう「if」の世界線は日本人にとっても感慨深いものがありそうだ。 だが、本作はそんな世界設定を真面目に描くというよりも、B級映画のような雰囲気だ。この世界には10年ほど前からゾンビや化け
映画『DUNE/デューン 砂の惑星』レビュー:圧殺されそうになる映像、人を選ぶ名作2021.10.14 23:1825,080 傭兵ペンギン 2時間35分の超重量級映像体験。 コロナ禍で延期が続いたものの、ついに公開となるSF超大作映画『DUNE/デューン 砂の惑星』。映像化が困難と言われ続けた伝説的SFシリーズを『メッセージ』、『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が撮ることで、本当に本当にとんでもない映画が生まれましたよ! ネタバレは控えめな内容となっておりますが、ある程度設定やストーリーなどを紹介するので、気になる方はまず先に劇場へ! 『デューン』という作品のすごさ©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reservedそもそも『デューン』ってなんなのよという人に事前に説明しておくと
“呪われた企画” 『デューン 砂の惑星』映画化の歩み(写真はデヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』) 写真提供:AFLO アメリカのSF作家フランク・ハーバートによる長篇小説『デューン 砂の惑星』を映画化したドゥニ・ヴィルヌーヴ監督最新作『DUNE/デューン 砂の惑星』が、ついに公開された。原作小説は、1963年から部分的に雑誌連載され、1965年に単行本化。SFファンだけでなく、幅広い読者から支持される人気作品になった。これほどのベストセラーを映画界が放っておくわけがなく、半世紀にわたって映像化の試みが繰り返されてきたが、時間を奪われ、失意のうちに去った関係者も多く、“呪われた企画”と呼ばれることもあった。 【写真】スティングらオールスター集結 デヴィッド・リンチ版『デューン/砂の惑星』(1984)フォトギャラリー ●原作小説のおもしろさ そもそも『デューン 砂の惑星』という小説の何
2部作構想の『DUNE/デューン』、前編は「最初の半分まで」 ─ 後編、草案は執筆済み ©2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved. 『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、同名の名作SF小説を現代に蘇らせる映画『DUNE/デューン 砂の惑星』。再映画化で焦点となるのは、不毛の砂漠都市を舞台とした巨編が、いかにして、どこまでの範囲で描かれるのかということ。1984年に公開されたデヴィッド・リンチ版では、原作での物語こそ網羅されていたが、1作に無理やり収められ、細部まで描かれきれていなかった印象だ。 こうした中、2部作構成で企画されているヴィルヌーヴ版『デューン』の前編で描かれる物語が、原作小説の「前半」までであることが判明
現在絶賛公開中のアニメ映画『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』 www.youtube.com では、物語のキーワードとして「ワイルドスクリーンバロック」というものが多用されています。 「ワイルドスクリーンバロック」の元ネタは、おそらくSFのサブジャンル「ワイドスクリーンバロック」でしょう。 この記事では「ワイドスクリーンバロック」とは何かをサーベイして、はたして『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』が「ワイドスクリーンバロック」なのかを考えたいと思います。 【簡単な要約】:「ワイドスクリーンバロック」のもともとの意味は規模が大きくてハチャメチャなスペースオペラくらいの意味合いだったが、日本に輸出されたことで意味合いが変わりアイデアがすごくたくさん出てくるSFくらいの意味になった。『劇場版レヴュスタ』は前者の意味合いには当てはまらないが後者には当てはまるかもしれない。 「ワイドスクリ
POPなポイントを3行で 『ゴジラ S.P』はいかにして生まれたか 脚本やSF考証を担当する円城塔にインタビュー 実験とユーモア溢れる、新感覚のゴジラ 『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(以下『ゴジラ S.P』)が放送前から話題になったのは、まさかの円城塔さんが脚本に参加したことが大きいだろう。 円城さんは、小説や日本語の構造を書き換える作品を生み出してきた。その実験的な作風がSFシーンから純文学の領域においてまで評価され、これまでに芥川賞や日本SF大賞など数々の賞を受賞してきた。 そんな円城さんが「ゴジラ」シリーズに関わったらどうなるんだろう……? 抽象アニメーションみたいな「ゴジラ」になるのではないか……? 筆者だけではなく、放映前には、多くの人にそんな思いが去来していたと思う。 しかし、いざ『ゴジラ S.P』が放映されると、ゴジラの世界観を書き換えるようなことはなく、むしろ堅
日本各地で様々な芸術祭のディレクターをつとめ、地域の価値を再発見するきっかけを作ってきた北川さん。新潟や能登の芸術祭の実例も交え、芸術祭にかける思いを語ります。
さよならジュピター どうも、管理人のタイプ・あ~るです。 さて、皆さんは『さよならジュピター』という映画をご存知でしょうか?1984年に公開されたこの作品は、邦画では珍しい「宇宙を舞台にした本格SFドラマ」で、ミニチュアやCGを駆使して描かれる斬新な特撮シーンが当時話題になりました。 しかし興行的にはほぼ爆死状態で(配給収入は3億円)、「ストーリーがひどい」とか「無重力セックスの場面が苦痛すぎる」など散々な評価だったそうです。そんな『さよならジュピター』が今なぜか再び注目されてるんですけど、その理由がなんと『シン・エヴァンゲリオン劇場版』だという。えええ!? 実はシン・エヴァのクライマックスシーンで流れる「VOYAGER(ボイジャー)~日付のない墓標」という曲は、もともと『さよならジュピター』の主題歌として松任谷由実が作ったものなんですよ(シン・エヴァでは林原めぐみが歌っている)。 では、
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文章の元はIGN japanに『サイバーパンク2077』発売直前に寄稿した原稿だが、今はもうゲームも出ているので、それを踏まえた内容に全面的に加筆修正している。 【PS4】サイバーパンク2077 発売日: 2020/12/10メディア: Video Gameもうすぐ全世界待望のゲーム『サイバーパンク2077』が発売される(もう発売された)。今回はこれに備えて、サイバーパンクとは何なのか、どのようなジャンルかを紹介し、『ニューロマンサー』から、昨今のサイバーパンク小説/映画/ゲームを横断的に紹介することで、『サイバーパンク2077』へ期待を繋げていきたい次第である。 サイバーパンクとは何か サイバーパンクとは何かといえば、語源的には生物と機械における制御と通信を一緒に扱う分野であるサイバネティクスと、パンクロックのパンクを合わせたもの。ブルース・ベスキという作家が1980年に発表した短篇小説
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きっかけは、グレッグ・イーガンのこのツイート。 Just watched the anime “Your Name” (which was apparently inspired to some degree by my short story “The Safe-Deposit Box” (!) though the plot is entirely different [https://t.co/8jSpxyfnGp]). It was a bit saccharine in parts, but overall pretty good, and visually ravishing. — Greg Egan (@gregeganSF) November 28, 2020 “『君の名は。』を観ました(私の短編『貸金庫』にインスパイアされたらしいけど、プロットは全く違う)。ちょっと甘った
2006年に京都アニメーションの手によりTVアニメ化され、エンディングで流れる「ハルヒダンス」を真似た「踊ってみた」動画が相次ぎ社会現象と化した谷川流の小説「涼宮ハルヒ」シリーズの9年ぶりの新刊『涼宮ハルヒの直観』が2020年11月25日に発売になった。 最初の『涼宮ハルヒの憂鬱』が刊行されたのは2003年6月。これを機会に『ハルヒ』受容の17年史を振り返ってみよう。ラノベと一般文芸をめぐるこの20年の動きが垣間見える。 ラノベとSF・ミステリーの架橋(2003~2005) 『ハルヒ』が刊行された2003年とはどんな時代だったのか。 同年5月より、角川スニーカー大賞出身の冲方丁によるSF『マルドゥック・スクランブル』が早川書房のハヤカワ文庫JAから3か月連続刊行され、同作は日本SF大賞を受賞。 同年9月に講談社から舞城王太郎、西尾維新、佐藤友哉、清涼院流水など講談社ノベルス――80年代後半
米ユタ州の砂漠地帯で見つかった金属製の柱。同州公安局提供の映像より(2020年11月24日提供)。(c)AFP PHOTO /Utah Department of Public Safety /HANDOUT 【11月25日 AFP】米西部ユタ州南部の砂漠地帯で正体不明の金属製柱が見つかり、世界中の未確認飛行物体(UFO)ハンターや陰謀論者、映画監督スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick)氏のファンらの想像力をかきたてている。 【特集】キュリオシティーが見た火星 柱は三角柱の形状で、赤い岩の地面から高さ約3.6メートルにわたり突き出している。地元当局が18日、上空からオオツノヒツジの頭数を数えていた際に発見した。 調査のために着陸したユタ州公安局の職員らは、「地面に建てられた金属製のモノリス」を発見したものの、誰が建てたかを示すものは見つけられなかったという。公安局は2
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