※同人誌『Vanda』12号(1993年12月発行)に寄稿した文章の再録です。『Vanda』は(故)佐野邦彦氏と近藤恵氏が編集発行した同人誌です。 本作は少女マンガ『エースをねらえ!』の三度目の映像化作品である。 『週刊マーガレット』連載の原作の圧倒的な人気を背景に、1973~74年にかけてTV化された最初の『エースをねらえ!』は、原作とは異なる展開の物語となりながらも、再放送でメインターゲットの少女以外の広範囲な層を巻き込んで爆発的な人気を得、1978年にはより原作に忠実な形で作り直すという異例の『新・エースをねらえ!』が製作された。が、旧シリーズの中心メンバーであった演出の出﨑統、及び作画の杉野昭夫コンビは、当時『宝島』を手がけていたために『新・エース』には参加せず、旧作の華麗で力強いタッチに魅せられていたファンにはビジュアル面で大きな不満を残すことになったものの、視聴率的には一応の成
第23回で、1979年は奇跡のような1年だったと書いたが、その中でも「奇跡」の言葉が最も相応しいのが、劇場版『エースをねらえ!』だろう。演出も、作画も、美術も、撮影も、音響も完璧。表現がシャープであり、力がある。映像のポイントは光と影だ。光と影を巧みに使い、テニスに青春の全てをぶつける少女達の姿を描いている。ドラマチックであるのは勿論なのだが、それと同時に爽やかだ。登場人物も、作品内の空気も、清々しくて気持ちがいい。「青春映画」という言葉がぴったりのアニメーション映画だ。 劇場版『エースをねらえ!』が公開されたのは1979年9月8日。原作は、山本鈴美香の同名マンガで、少女達に熱烈に支持された作品だ。監督は旧TVシリーズ『エースをねらえ!』も手がけた出崎統。出崎監督の作品史的に言えば、『家なき子』『宝島』を手がけた後の作品で、この後に『ベルサイユのばら』後半に参加し、『あしたのジョー2』に至
ようやく観始めた。 観始めた理由は「アウラ、○○だ」などフリーレンのミームを見る機会が増えてきて、このままだと話についていけないという危機感を覚えたから。 3話までだが、今のところまだ面白くない。 弟子の女の子が「16歳になりました」と言ったあとで弟子のバストがアップになり、フリーレンが自分の貧乳を気にするシーンと、村のクソガキがスカートめくりするシーン。ああ、週刊少年サンデーだな……変わってないな、平成から……と思った。 フリーレンは頭が良いはずなのに人の策略とか心の機微が一切分からなかったり、たまにドジっ子なところを見せる。可愛いでしょこの女の子たち!どうぞ二人に萌え萌えしてくださいよ!さあ!!って感じが伝わってくる。 二人をとくに可愛いと思えなかったりすると十分には楽しめないかもしれない。というか現に私が楽しめてない。 孤高っぽくて優秀っぽいけど人の機微に疎いフリーレンって人付き合い
陽介 @052ysk アウラとフリーレン、双方の魔力を秤にかけた服従の天秤《アゼリューゼ》は、果たしてフリーレンへと傾いた。 勝利を確信し敵に背を向けたフリーレンは薄氷の刃の如き声でアウラへ命ずる。 「アウラ、落語家になれ———」 敗北の色に染まる頭が言葉の意味を理解するより早く、アウラの体は戦場から駆け出していた。極東の島国を目指して。 いくつもの船を乗り継ぎ辿り着いたこの国で、土地勘もツテも無いはずのアウラは何かに導かれるまま(あるいはこれもアゼリューゼの力だったのかもしれない)とある落語家の門を叩く。 泣き落とし。癇癪。時には掴みかかるなどしながら七転八倒三日三晩。テコでも動かぬ座り込みの果て、ついに入門を許可される。 これで落語家になれた。やっと解放される。フリーレン許すまじ。様々な感情が湧き上がるも体が言う事をきかない。 ああそうか、自分はまだ入門したに過ぎず落語家になった訳では
先日、世界的に有名なアニメ映画がリバイバル上映するということで話題になっていた Twitterでも絶賛の嵐だったので期待して観に行ってみた 結果、とても落ち込んだ気分で映画館を後にすることになった・・・ アイドルの女性がアイドルを引退して女優への転身を発表するところからストーリーは始まる 序盤はとても楽しめた 平成初期のインターネットも携帯電話も普及してない時代は今となっては新鮮に感じるし、キャラクターはよく動くし街並みも奇麗だし、部屋の小物も描き込まれていて作画は素晴らしかった しかし中盤のとあるシーンで一気に私の気持ちは沈んでいく ドラマの撮影という体でレイプシーンが始まるのだ 長尺でねっとりとレイプシーンは描かれる 泣き叫ぶ女の子、性欲まみれのゲスい顔で取り囲む男たち、とても印象的で気持ちの悪いシーンだった 制作者の演出意図は分かる 「元アイドルの女の子が一流の女優になるためにこんな
『アリスとテレスのまぼろし工場』を鑑賞して、自分の中で岡田麿里の評価が爆上がりしている今日この頃です。 岡田麿里という作家に何か思いれのある人は絶対に見るべき作品だと思いますし、90年代を生きていたオタクにはできれば見てほしい作品です。 そして今回は、その感想ではなくて、『アリスとテレスのまぼろし工場』という作品は、実質的に『花咲くいろは』のやり直しなんじゃないかという話を書きます。 『花咲くいろは』とは、2011年に放送されたオリジナルテレビアニメで、同時期に放送された『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』と共に、脚本家としての岡田麿里の名声を決定づけた作品であります。岡田麿里にとって、キャリア初期のオリジナルアニメであり、作家としての根っこの部分が見えた作品でもあると思います。 この話題を語るうえで、『アリスとテレスのまぼろし工場』と『花咲くいろは』のネタバレをしまくります。 そ
9月15日公開の岡田麿里最新作『アリスとテレスのまぼろし工場』は、そのビジュアルからは想像しがたいほどにエネルギッシュで挑戦的だった。 『君の名は。』の大ブレイク以降プログラムピクチャー的に毎年量産される「そういう感じ」の長編アニメ映画。誰もが二匹目のドジョウをつかみとらんとするガラパゴスな界隈に、『あの花』や『さよならの朝に約束の花をかざろう』などで知られるアニメ界の重鎮・岡田麿里が一石を投じる。脚本家として名を馳せた同氏の、『さよならの〜』に次ぐ監督第2作となる。 正直に言えば、予告編公開時点では『アリスとテレスのまぼろし工場』にもさほど食指は動かなかった。いわゆる「『君の名は。』っぽい感じ」のよくあるアニメ映画にしか見えなかったからだ。 しかし本作は実際のところ、むしろそうした「そういう感じ」を自覚したうえでそれを打ち壊さんとする、野心と反逆性に満ちた作品だったように思う。 本作は「
ハンターのアリ編のアニメ一気見した。面白すぎて気が狂うかと思った 宮殿入ってからは本当に神の領域の面白さだと思えた。 ここ最近アニメあまり熱心に見てなかったからアニメってこんな面白かったんだ!という気持ちが思い起こされて今アニメ熱が高まっている。 進撃とかまどマギはよく10年に一度クラスのアニメと言われるが、確かに面白かった。 そこに及ぶかは分からないけどシュタゲとかひぐらしあたりも昔ハマったな。 ここ数年でまぁまぁ良かったのはオッドタクシー。 でも今流行ってる呪術廻戦とか少し前だとリゼロとか、見ても面白さが分からなかった。 そんな面白いか?ハマれなくて途中で脱落した。 老害現象かもしれんが… 単純にもっととにかく話が面白い・続きが気になる・よく練られている・脚本のレベルが高い作品が見たい。 何かおすすめしてくれ
放送・配信中のアニメの終わりが近づき、新作の開始時期が近づいてきました。2023年秋に始まるアニメの数はショートアニメや特撮も含めると75本ほどあり、ここ10年、20年という単位で考えても過去最多レベルの本数となっています。リアルタイムで見るときはもちろんながら、録画で見るにしても配信で見るにしても、網羅するのは大変。自分が気になる作品をうまく探し当ててください。 以下、作品リストは放送・配信時期が早いものから順に並べています。 ▼目次表示 ・範馬刃牙<外伝ピクル+野人戦争編><地上最強の親子喧嘩編> ・五等分の花嫁∽ ・仮面ライダーガッチャード ・GAMERA -Rebirth- ・しーくれっとみっしょん~潜入捜査官は絶対に負けない!~ ・ケンガンアシュラ Season 2 ・万聖街 日本語吹替版 総集編&続編 ・お嬢と番犬くん ・葬送のフリーレン ・め組の大吾 救国のオレンジ ・MFゴ
14日に公開されたスタジオジブリの宮崎駿監督(※崎はたつさき)が手がける10年ぶりの長編映画『君たちはどう生きるか』の興収情報が18日、東宝より発表され、公開4日間で観客動員135万人、興行収入21.4億円を突破した。この数字は、東宝によると「2001年公開同監督作品『千と千尋の神隠し』(最終興収316.8億円)の初動4日間の興行収入を超える記録」と説明した。 【写真】その他の写真を見る また、2013年7月20日公開の前作『風立ちぬ』との興行収入対比では150%を超える好発進となっている。 全国441館(通常:384+Dolby Cinema:9+IMAX:48)で順次上映された同作は、公開されるまで物語のあらすじはおろか、予告映像やキャスト情報も一切発表しない異例の宣伝で注目を集めていた。 これについてスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは、「映画の内容を事前に一切明かさない」という
宮尾岳 @GAKUJIRA 今よりはるかに、ジャパニメーションと言うものが海外に出てなかった80年代。 何故かやたら「海外合作」というのがあった。 僕もいくつか参加したが、その壁は… 技術的なものよりも 互いの「面白い」に対する感覚の違いだった。 絵コンテもらって「ホントにこれが面白いと?」って思っちゃう。 2023-07-01 05:47:37 宮尾岳 @GAKUJIRA これはもう、国民性というか 育って来た観てきた環境が違うんたから仕方無いのだが… つまんないなーと思いながら、作画は進めなくてはならない。 しかも! 完成して【放映されるもの】は、日本では観られない。 このストレスはデカかった。 未だに観ていない(^_^;) 2023-07-01 05:47:37
新作テレビアニメ『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』(略称:るろ剣)が、フジテレビの深夜アニメ枠“ノイタミナ”枠にて、7月6日より放送される。これを受け現在、原作漫画の北海道編を連載中のジャンプSQ.編集部は19日、公式ツイッターを更新し、1999年発売の公式ファンブック『剣心華伝』に掲載した主要キャラクターの誕生日を、今回の新作アニメで設定し直したことを発表した。 【写真】その他の写真を見る 誕生日の設定を変えるのは異例で、公式ツイッターでは「TVアニメ『るろうに剣心』の新シリーズ制作にあたり、剣心以外の主要キャラクターの誕生日も和月先生、黒碕先生と相談し、改めて設定しなおすことになりました」と経緯を説明し、「1999年に発売された『剣心華伝』と誕生月が異なってしまうことをご容赦、ご了解のほど何卒宜しくお願い申し上げます」と伝えた。 具体的には主人公・緋村剣心の誕生日は6月20日のままだ
■配信市場の1/6、年間269億円の日本アニメのDVD/BDマーケットNetflixやU-NEXT、Amazonプライムビデオなど、映像配信プラットフォームのサービスはアニメファンにとってはもはや不可欠になっています。コアファンに向けたヤングアダルト層のアニメ作品は、深夜帯に放送されることから「深夜アニメ」と呼ばれますが、いまでも深夜遅くこれらの番組を観るファンは稀で、テレビ録画も減っています。その多くは配信によって視聴されているはずです。 それでも「〇月〇日放送開始!」、「来週が最終回!」といったフォーマットは、ファンの関心を掻き立てるのに大きな役割を果たします。1週間に一回のテレビ放送は、今後も維持されていくシステムのはずです。 その一方で、より厳しい立場にあるのが、ブルーレイ/DVDのビデオソフトです。メディアでほとんど報じられていないのですが、日本映像ソフト協会の集計によれば202
1975年に放送されたロボットアニメ『ライディーン』は、富野監督のサンライズ初監督作品ですが、途中から降板し、27話より長浜忠夫監督に交代しています。この交代劇にはTV局の「都合」が影響していました。 監督交代劇の裏にある、TV局の都合とは 主人公・ひびき洸と、主役メカがパッケージに描かれた「勇者ライディーン コレクターズDVD Vol.1 」(TCエンタテインメント) いつの時代も、いわゆる「大人の事情」は時として理不尽なものです。 当然ながらTVアニメーションはテレビ局なくしては放送できませんから、スポンサー、代理店と並んで、テレビ局も作品に関してある程度の影響力を持ちます。それでも通常は、契約を交わした時点で大まかな作品イメージに合意していますので、スポンサーのように売り上げに直結していない分、私の経験では、放送が始まれば現場にその影響が及ぶことはあまりなかったように思います。 とこ
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