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世界の「SONY」や「HONDA」を生んだ時代のように、日本を再びスタートアップの国にするという目標は、岸田文雄首相が5月5日に行われたロンドンでの講演で発表した4つの目標のうちの1つであった。 「ですから、日本に再び創業ブームを起こすことが、私の切なる願いです」。賞賛に値する目標である。しかし、歴代の首相も高い目標を掲げてはきたが、残念ながら実現に必要な施策を打つことはできなかった。岸田首相はそうならないことを期待したいが……。 スタートアップが必要なワケ より多くのスタートアップを生み出すための提案について論じる前に、なぜスタートアップが重要なのか、そしてなぜ日本は遅れを取っているのかを確認したい。 「スタートアップ」や「アントレプレナー」という言葉を聞くと、ベンチャーキャピタル(VC)の資金を投入されたシリコンバレーにあるハイテク企業を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、シリコンバレ
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今回は平成最後のコラムとなるので「平成の30年間を振り返る」という、コテコテのメディアチックなテーマにしようと思う。 個人的には、私は昭和63年(1988)入社。かくして昭和の高度成長期に「当たり前」だった働き方が瓦解していく様を目の当たりにした世代でもある。“ピチピチ”で“イケイケ”だったあの頃、自分のキャリアを含め「こんな風になる」とは“1ミリ”も想像していなかった。 もちろん元号が変わったからといって、今ある「流れ」が変わるわけではない。 だが、平成を振り返ることは自分のキャリアの足跡をたどることであるとともに、フィールドワークのインタビューに協力してくださった約700名の人たちの「語り」に思いをはせる作業でもあり、これまで講演会やら取材やらでお邪魔した数えきれないほどの企業の人たちから伺った「わが社の問題点」を振り返ることでもある。で、そんないくつもの“データBOX”の蓋を開けてみ
一部報道などでは日本経済の好調さが伝えられていますが、実感として受け止められないというのが正直なところではないでしょうか。なぜこのような事態に陥っているのか、米国在住の作家・冷泉彰彦さんはメルマガ『冷泉彰彦のプリンストン通信』でその理由を「日本の産業構造がおかしくなったため」とし、この「負のトレンド」を反転させなければ国の繁栄と個人の成功はありえないと結んでいます。 スカスカになった日本経済、どうしてこうなったのか? 経済新聞や安倍政権の周囲では、日本経済は絶好調だとか、多くの企業が史上空前の利益を上げているという声があります。ですが、そんな好況感は、日本全国を見渡すと全く感じられません。 国全体の「購買力」は弱り切ったままです。観光ブームということもありますが、結局はインバウンド、つまり訪日外国人が支えています。例えば、星野リゾートの場合は、価格帯によってブランドを分けていますが、フラッ
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大前研一(74歳)が老害全開です。 給料が下がっている国は世界でも稀 大前研一氏が語る日本の問題点 https://t.co/gcpStl7GE8 pic.twitter.com/oop8zRQchK — マネーポストWEB (@moneypostweb) 2017年11月24日 その根本的な理由は、日本が“ぬるま湯社会”になって、厳しい競争がなくなったことではないかと思う。 財務省「法人企業統計」から付加価値の内訳の推移を見ると、給料が上がらないのは付加価値増加のほぼすべてが営業純益に分配されてしまうためだと分かります。 営業純益の激増が人件費を圧迫していることは一目瞭然です。 人件費抑圧によって達成された史上最高益は配当金と金融投資に回っています。*1 この傾向は、株主の圧力が大きい大企業ほど顕著です。(⇩2000年度→2016年度で人件費は2%減、配当金は4.5倍) 給料が下がったの
[東京 9日 ロイター] - 日本企業の利益剰余金が過去最大の390兆円台に膨れ上がっている。生産・輸出が好調で過去最高益を記録する企業が続出しているものの、設備投資を控え、賃上げも小幅で現金を積み上げているためだ。 マクロ的には機動的な財政出動や大規模な金融緩和の効果が、「ため池」に留まって波及していないことを示す。ただ、効果的な政策対応も見当たらない。とすれば、現在は機能していない市場の「警鐘効果」に期待するしかない。 <利益剰余金、1年間で23兆円積み上がり> 財務省の2017年1─3月期法人企業統計によると、全産業ベース(銀行、保険業は除く)の利益剰余金は390兆3900億円と過去最高を記録。前年同期から23兆7100億円増えた。 わかりやすく言えば、企業が利益を出しているにもかかわらず、設備投資を控え、賃上げにも積極的に動かなかった結果、現金が積み上がってしまったということだ。
日本の賃金が抑制されるようになった経緯を、内閣府「国民経済計算*1」と財務省「法人企業統計*2」で確認します。 経済全体の労働生産性の指標として就業者1人当たり実質国内総生産、賃金水準の指標として雇用者1人当たり賃金・俸給を用います。 1980年代は賃金が生産性とほぼ同率で増加。 1990年のバブル崩壊後、生産性が停滞するが賃金は増加を続ける。 1997年以降、賃金が低下して生産性とのギャップが縮小に向かう。 2001年にギャップが解消するが、その後も賃金は低下。 賃金と生産性の比(≒単位労働コスト)です。 バブル崩壊後、割高になっていた単位労働コストが1997-98年を境に急低下しています。現在の賃金が「あるべき水準」より約2割ディスカウントされていることも示唆されます。 1997-98年の金融危機が、火事場泥棒的な賃下げや非正規雇用化を可能にしました。 りそな銀行への公的資金注入によっ
58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、2005年に楽天証券経済研究所客員研究員、23年3月から現職。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 筆者は、過去も現在も大まかには金融業界の人間なので、1990年代から2000年代前半にかけて、山一證券や日本長期信用銀行が破綻したり、全国の大きな駅前ごとに支店があるような大銀行が、いわゆる不良債権を抱えるだけでなく、それを隠し、しかも、十分に隠し切れもせず、ついには公的資金の注入を受けるに至った「情けなさ」を身近に見てきた。 しかし、「お金」ばかりを追っている金融業は浮わついた「虚業」だとしても、「ものづ
消費税増税について経済同友会の積極性が際立っています。 その目的は政府の財政再建、なのでしょうか。 同友会の広報誌には興味深い記述がみられます。 経済同友会は1月21日、財政再建に関する提言を発表しました。 歳入面では2017年4月に消費税を予定通り10%に引き上げるだけでなく、17%まで段階的に追加で増税すべきだと求めた。歳出も社会保障分野歳出も社会保障分野の大胆な改革と給付カットが必要だと訴え、年間5000億円のペースでの公費削減に取り組むよう促した。 (中略) すべてをやり遂げたとしても必要十分とは言い切れないのが、日本の財政の現状だ」(岡本圀衛・日本生命保険会長)と危機感を強調した。 「消費税17%、社会保障費削減を 経済同友会が財政再建で提言 」日経新聞 2015/1/21 2月3日には麻生財務大臣に消費税率17%までの段階的引き上げを求める提言をしています。 経済同友会は3日、
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