名古屋大学博物館(名古屋市千種区)で、宮崎県都城市の採石場で見つかった、直径約50センチ、重さ約50キロの球状の「石」を初公開中だ。 一見すると人の手が加わったようにも見えるが、この石は「球状コンクリーション」と呼ばれる炭酸カルシウムの塊。自然に球状になったものだ。2012年に見つかり、約5千万年前の地層から200~300個が出てきたという。地元で「謎の丸い石」として話題になり、採石場の経営者が名大博物館に問い合わせ、正体が判明した。 約10年前からこの研究に取り組む、名大博物館の吉田英一(ひでかず)教授(55)によると、生物の死骸から出る炭素と海水中のカルシウムイオンが反応して、こうした球状になるのだという。塊からは保存状態のいい化石が見つかることが多く、展示している塊も、海底にすむ軟体動物などからできたのではないかと推測している。「これだけの大きさのものが2、3百個まとまって出ることは