シーエーシー(CAC)の創業者で長く社長・会長を務められた大久保茂氏が2007年10月23日、亡くなられた。享年86歳。謹んでご冥福をお祈りする。私は、大久保さんと親しかったジャーナリストの一人ではないかと思っている。1981年10月の日経コンピュータ創刊に準備段階から関わり、創刊直後から一貫してソフトウエア・情報サービス産業を担当したことから、独立系ソフト会社の雄CACを創業した大久保さんには何度となく取材をさせて頂いた。訃報に接し、思い起こした諸々を綴ってみたい。 CACを創業される前、大久保さんは日本ビジネスコンサルタント(NBC)におられ、技術部門の総大将と呼ぶべき存在であった。NBCは日本のソフトウエア・情報サービス産業の草分けと言える会社で、コンピュータ販売、ソフトウエア開発、計算センター、全国ネットワークといった幅広い事業を展開し、情報サービス会社として日本最大規模を誇ってい