国際宗教同志会平成25年度総会 記念講演 『東日本大震災と宗教の役割』 東京大学大学院 人文社会系研究科 教授 島薗 進 2月14日、神徳館国際会議場において国際宗教同志会(村山廣甫会長)の平成25年度総会が、各宗派教団から約六十名が参加して開催された。記念講演では、東京大学大学院人文社会系研究科の島薗進教授を招き、『東日本大震災と宗教の役割』と題する講演と質疑応答を行った。本サイトでは、この内容を数回に分けて紹介する。 ▼公共空間における宗教のプレゼンス 皆さん、こんにちは。国際宗教同志会の錚々(そうそう)たるメンバーの先生方の前でお話しさせていただくことを大変光栄に存じております。自己紹介として、お配りいただいた私の経歴に書かれていないことを申し上げますと、私の母方の祖父(註:日本医師会会長を務めた田宮猛雄東京大学医学部教授)は高知の出身で、家の宗教は神道でございます。そして父方の祖父