いわゆる「年収の壁」の抜本的な解消に向けて、厚生労働省の年金部会で議論が始まっている。壁が存在する根本的な要因は、会社員らの配偶者が扶養される「第3号被保険者」制度にある。厚労省は部会での議論を積み重ねて、来年末までに恒久的な改革案をまとめたい考えだ。根本的な解消は難しいが、年金部会では出席する委員から厚生年金の加入要件を引き下げる案も提唱されており、議論の行方が注目される。 【関連記事】 遺族厚生年金、男女差2000万円の不公平 考え得る見直し案は 年収の壁は、配偶者の扶養に入るパート労働者が、一定の年収を超えると社会保険料や税の負担が生じるため、就業調整する現象を指す。壁はいくつか存在するものの、10月から始まっている支援強化パッケージで解消の主なターゲットとされたのは、厚生年金に加入しなければならない「106万円」の壁だ。加入要件が徐々に緩和されており、この壁に当たる人が増えているた