【モスクワ=遠藤良介】ロシアのメドベージェフ大統領が今月末にも中国を訪問し、第二次大戦での中ソ共闘の歴史認識を再確認する方向で調整されていることが9日、中露関係に詳しい専門家の話で分かった。ロシアは今年、日本が第二次大戦の降伏文書に署名した9月2日を事実上の対日戦勝記念日に制定。「ソ連の対日参戦が第二次大戦終結を早めた」とする歴史観で中国などと連携し、日ソ中立条約を破っての対日参戦や北方領土の占拠を正当化する動きを強めている。 元外交専門誌編集長のタブロフスキー氏によると、メドベージェフ大統領は北京、上海のほか、日露戦争(1904〜05年)の激戦地だった大連・旅順口を訪問。第二次大戦での中ソ犠牲者に加え、日露戦争でのロシア人戦没者を追悼する行事に出席する見通しだ。