アルゼンチンにあるアタカマ高地の砂漠地帯の衛星画像を調べていた米コロラド大学ボールダー校の地質学者ブライアン・ハイネックは、奇妙なことに気づいた。塩原と砂原の単調な灰色の景色が広がる中に、緑と青の斑点がいくつもあることに気づいたのだ。斑点の正体が何かはわからなかった。 アタカマ高地は海抜3000mを超える高原砂漠で、アンデス山岳地帯のさらに高い山々に囲まれている。この辺りは、地球上で最も乾燥した環境の1つだ。雨はめったに降らず、日光が容赦なく降り注ぐことにより、ほとんどの動植物が生存できない環境が形成されている。そのため、斑点が何らかの植物や人為的なものである可能性は低かった。 この謎を解明するために、ハイネックは環境コンサルティング企業PUNA.BIOの共同創立者で微生物学者のマリア・ファリアスとともに、この地域に足を運んでみることにした。 舗装されていない道をクルマで走り、ぬかるみの中