関東大震災では、大勢の避難者が折り重なって転倒し亡くなった人もいた。こうした「群集事故」は、橋や狭い道など逃げ場のない場所で起きる。都によると450万人が帰宅困難となることが想定され、各地で人混みが見込まれる首都直下地震でも警戒が必要だ。(小沢慧一) 「橋の上に衝突して押しつぶされ踏み倒され、橋より落ちて大河に沈むもあり、欄干に押し付けられて絶息するあり、宛然(えんぜん)白兵戦のそれに似て、ものすごしとも恐ろしともさらに形容の言葉もなし」。1923年発行「関東震災写真帖(ちょう)」には雑踏を逃げ惑う被災者が、もまれて亡くなった様子が記録されている。