看板が掛けられていた場所を指さす河村敏之さん=京都市中京区の貝葉書院で2023年7月18日午後6時3分、水谷怜央那撮影 京都で江戸時代から続く木版印刷の老舗で、130年以上前から店頭に掲げられていた木製の看板が盗まれた。高額で売却できるとは考えにくく、盗まれた理由は不明。経営者は「長い歴史を見つめてきた大事な看板。一日も早く戻ってきてほしい」と願っている。 京都市中京区の「貝葉(ばいよう)書院」。経営する9代目の河村敏之さん(62)によると、徳川綱吉が将軍だった1681年に「一切経印房」として創業した。現在も希少な木版の手刷りを続け、仏教の経本などを印刷・出版している。 盗まれたのは「大般若経 版元」などと記された木製の看板。印刷している「大般若経」の木版を所有する版元であることを示し、貝葉書院として現在の場所に店を構えた1889年から130年以上、店舗の外壁に掛けられていた。