ついにアニメがここまで来たかと感慨深い作品 ――(氷川竜介氏)劇場公開時、富野監督は本作を絶賛されましたが、その理由は何ですか。 富野 子育てを経験した人ならみんな知っているとおり、子供は親にとってまさに手のつけられない「おおかみ」的な存在です。「おおかみ」との結婚が気持ち悪いというご意見も見かけましたが、恋愛時代には美しく感じていた彼氏・彼女なのに、肉体関係をもった瞬間にガラッと変わって狼以上に分からない存在に見えたりすることはあり得る。そんな風に誰でも経験するようなごく当たり前の話を、上手にアニメのメタファーを使うことで「パン!」と示して、とても見やすい尺でまとめている。悔しいけど、細田監督はものすごくできるようになったなと思いました。 細田 あのコメントには励まされました。本当に感謝しています。 富野 今回の対談のために、いくつかのレビューを読んで、安心したことがあります。子育て中の