ソフトバンクグループの孫正義社長は、早くから社外取締役を導入し、活用してきた。現在はファーストリテイリングの柳井正会長兼社長や日本電産の永守重信会長兼社長などが、かつては日本マクドナルドの藤田田元社長やオリックスの宮内義彦シニア・チェアマンなどがソフトバンクの社外取締役を務めた。同社の取締役会や役員会は「動物園」に例えられるほど議論が活発だ。柳井氏は「大体の案件に僕は反対ですよ」と話す。一方、日本の大企業には制度による圧力がかかりつつある。東京証券取引所は上場企業の経営規範を定めた「企業統治指針」の適用を始め、2人以上の社外取締役の選任を求めている。かつてシスコシステムズの社外取締役を務めたこともある孫社長に、取締役会のあり方や経営者育成について聞いた。