米子城は、城下町も魅力だ。周囲にさえぎるものがない標高90.5メートルのコンパクトな山に築かれているため、本丸からは城下町がよく見える。都市化が進んでいるものの、当時の町割が現在の町の基盤になっていることが感じられ、その痕跡を探しながら歩くのも楽しい。城下町は城と同様に、吉川(きっかわ)広家が基盤をつくり、1600(慶長5)年に城主となった中村一忠が完成させたと考えられている。 本丸から見下ろす城下町 米子城下町も同じく、三つのエリアから構成される。城下町は城の北側から東側に展開。三の丸の外側には中海から海水を引き込んだ内堀がめぐり、その外側に侍屋敷、その外側に外堀、町家、寺町と並ぶ。内堀には大手と搦手(からめて=裏側)にそれぞれ橋が架けられ、城と城下町を結んでいた。ANAクラウンプラザホテル米子のあたりが大手門跡だ。 本丸から北東側を望む侍屋敷は、武家屋敷の外側に配置される家臣の屋敷だ。