本を読みたい。その素朴な願いに応えるべく、公立図書館から遠い山間部や住宅地に、本を積んだ移動図書館車が赴いている。京都府内では約50年前から始まり、現在運行しているのは7市町。人口減少が進み、書店が一つもない市町村が増える時代にあって、本を待つ住民の要望にどう応えるか。あるべき姿を模索し、走り続けている。
新しくなったモトム号を見に集まった市民ら=福島県本宮市のしらさわ夢図書館で2021年6月20日、磯貝映奈撮影 本宮市で20日、2019年10月の台風19号で被災し、廃車となっていた移動式図書館車「モトム号」が新しくなり、市民にお披露目された。今後は市内の小学校や幼稚園、保育園などを巡回する予定だ。 同市のしらさわ夢図書館によると、以前の移動式図書館車は台風19号で長時間浸水し、エンジンなどが故障。修理しても使える状態ではなかったため、やむを得ず廃車になったという。だが、多くの市民に読書を楽しんでもらうための広告塔として活用したいと市が新たな車を購入。1年8カ月ぶりに再始動することになった。 この日は、中央公民館、みずいろ公園など市内の主要施設複数カ所を回り、市民に新車での活動再開を知らせた。集まった人々は記念に写真を撮ったり、記念品をもらったりしていた。 モトム号は、学校など教育施設を中心
福島県の本宮市が、令和元年台風第19号で被災した移動図書館車の運行を再開し、2021年6月20日に、おひろめ会を開催しました。 移動図書館車の名称は「モトム号」で、中央公民館で披露式典を実施し、市内の主要スポットを巡った後、本宮市立しらさわ夢図書館まで運行しました。図書館と中央公民館では記念イベントも開催されました。 図書館では、「モトム号」と撮影した写真を募集しており、寄せられた写真は館内に掲示するとしています。 令和3年6月9日回覧等配布物(本宮市) https://www.city.motomiya.lg.jp/soshiki/10/20210609.html https://www.city.motomiya.lg.jp/uploaded/attachment/16750.pdf ※二つ目のリンクがおひろめ会のお知らせです [PDF:3.31MB] 台風19号で被災、移動式図書館車
「文化船ひまわり」(尾道市) 尾道市瀬戸田町の運動施設「B&G海洋センター」の敷地内に、オレンジと白で塗られた古びた船がひっそりと据えられている。かつて県内の島々に本を届けた「文化船ひまわり」だ。国内唯一の公営図書館船がたどった航跡を、保存活動に取り組む市民団体「文化船ひまわりB(ブック)・B(ボート)プロジェクト」代表の藤田玲生(れお)さん(47)に聞いた。 ◎ 瀬戸内海に面した広島県には大小30以上の有人離島があり、戦後間もない頃には県人口の1割にあたる20万人が暮らしたといわれる。本土が戦後復興にまい進する中、離島も等しく文化に触れる機会を提供しようと、県が図書館機能を備えた船の導入を決めた。 展示されている「ひまわり」(尾道市で) 全長14メートル、約20トンの「ひまわり」が完成したのは1961年。第6管区海上保安本部が設計に携わり、江田島市の造船所で建造された。デッキ下部に約15
富岡町は8日、移動図書館として新車両を導入した。町のシンボル・夜の森地区の桜をデザインした車両が町民の避難先も定期的に訪れ、移動図書サービスを通じて古里との絆をつなぐ。 車両は2トントラックを改造し、これまで使用していた移動図書館の2倍の約千冊を積むことができる。車体には満開に咲き誇る桜の下に集った人たちが読書を楽しむ光景をデザインした。大型モニターも搭載し、現在の町の風景などを映し出す。 町内をはじめ、町民らが避難しているいわき、福島、郡山3市の計15カ所を定期的に巡る。 新車両の出発式が町図書館前で行われ、高橋保明副町長が「移動図書館をきっかけに古里・富岡を感じてほしい。新型コロナウイルスの影響が広がる今だからこそ本を楽しんでほしい」と呼び掛けた。 問い合わせは町図書館へ。
書籍の宅配サービスに使われる図書館バス=北海道根室市図書館で2020年3月4日午前10時26分、本間浩昭撮影 「今こそ、じっくり読書を」。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、北海道根室市図書館は5日から、所蔵する書籍を宅配するユニークなサービスをスタートさせる。臨時休校中の児童・生徒や乳幼児の読書環境を整えようとの試みで、図書館のバスなど5台を使って自宅まで本を届ける。0~18歳の子どもがいる家庭を対象に、1人10冊まで借りられる。返却期間は2週間。 感染拡大防止のため、同館は4日から臨時休館中。再開館は17日を予定しており、宅配サービスは15日まで行う。市街地の場合、午前中の受け付け分は原則として当日午後2時以降、午後の受け付け分は翌日届ける。郊外は、いずれも翌日となる。
宮城県南三陸町は7日、徳島市のNPO法人「マチ★アソビ」から東日本大震災の被災地支援として、昨年11月に寄贈された移動図書館車の試験運行を始めた。4月から始める予定の本格運行に向け、3月まで週2回、町内の災害公営住宅や小学校を巡回し、利用ニーズを調べる。 1.5トントラックを改造した移動図書館車は実用書や児童書、小説など約1000冊を積載する。同法人が徳島市内で定期的に開いたアニメイベントのチャリティーオークションの収益金を基に作った。イベントの協力企業が制作したアニメキャラクターが車体に描かれている。 震災後に角田市から寄贈され、2017年7月まで仮設住宅を中心に運行していた移動図書館車と同じ名前の「たんぽぽ号」と名付けられた。 初日は同町志津川の災害公営住宅「志津川西復興住宅」の集会所前で、貸し出しを実施した。同住宅で暮らす無職阿部吉夫さん(75)は2冊を借り「読書は楽しみの一つ。公営
徳島発アニメの祭典「マチ★アソビ」のチャリティーオークションの収益で購入した移動図書館車が、東日本大震災の被災地・宮城県南三陸町に贈られる。9日に徳島県庁を出発する。 運営団体のNPO法人マチ★アソビと、近藤光・総合プロデューサーが社長を務めるアニメ制作会社ユーフォーテーブル(東京)が計画した。 移動図書館車は、正面に「マチ★アソビ移動図書館」の文字が記され、両側面に本を手にしたアニメキャラクターなどが描かれている。1・5トントラックを購入して改造し、約千冊の本が載せられる。車両購入・改造費は1150万円。 9日午後4時に県庁を出発。大阪や東京にあるアニメショップ「マチ★アソビカフェ」などを巡回して本を集め、16日に南三陸町に到着する。来年1月から、町内の小学校や災害公営住宅のある地区などを巡回する予定。 チャリティーオークションは、震災発生後の2011年10月から毎回実施し、売り上げは義
鹿児島県指宿市で指定管理者として図書館を運営するNPO法人「本と人とをつなぐ『そらまめの会』」が21日、移動図書館車で地震や豪雨の被災地を巡る旅に出発する。全国約10か所で読み聞かせなどを行い、本の楽しさを多くの人に伝える。 そらまめの会は昨年、図書館に来られない人に本を届けようと、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで移動図書館車を購入。「ブックカフェ号そらまMEN」と名付け、今春から運行を始めた。約500冊の図書のほか、コーヒーセットや椅子、テーブルなどを積み、JR指宿駅前でブックカフェを開くなどの活動を続けている。 市立指宿図書館長も務める下吹越かおる理事長(56)は、移動図書館車を購入した目的の一つに「被災地訪問」を挙げていた。今回、30日から横浜市のパシフィコ横浜で開かれる「図書館総合展」に招かれたのをきっかけに、ブックカフェ号で各地の被災地に立ち寄る計画を立てた。
さいたま市教育委員会は、来年2月頃から市内を巡回する新しい移動図書館車の愛称を募集している。市内の小中高生が主な対象で、11月15日まで。 移動図書館車は同市西区の小山本家酒造が創業210周年を記念し、7月に市へ寄贈。現在の「宝くじ号」に代わり、約3500冊を積んで図書館と離れている自治会館や団地などを回る。市内の各図書館長らで構成する委員会が、応募された案の中から愛称を選んで決める。 応募は市ホームページ(http://www.city.saitama.jp)で申し込むか、はがきに愛称やその愛称にした理由、住所、氏名、電話番号、学校名を記入し、市立中央図書館(〒330・0055 さいたま市浦和区東高砂町11の1)へ郵送する。問い合わせは同図書館管理課(048・871・2172)へ。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(以下、シャンティ)の東京事務所・市川氏が、4年ぶりにミャンマーを訪問し、現地の活動が進化していると、9月7日のブログで明らかにした。 9月15日までミャンマー事務所のあるピー県に滞在する同氏は、4年前に初めて現地を訪問した。今回は活動が進化しており、移動図書館車などに変化があったと驚きと喜びを伝えている。例えば、4年前は白い袋に本を入れバイクで運搬していたが、今では三輪の移動図書館車が活躍中。車両の側面に本が陳列できるようにもなった。 4年前は机と本が置いてあるだけで、倉庫のようだった公共図書館は、棚や机を一新。床に座れるようにシートもはってあり、飾り付けも工夫されていることから、違った空間になっていた。 しかし一方で、図書館員によって活動の質に差があったり、予算が足りず全ての学校に訪問できなかったりと、課題は多くあるのが現状だ。4年の時間を掛けて
この30年間、毎年のようにミャンマーに通ってきた。2011年に民政移管したミャンマーは今、まさに激動の時代。明治維新と戦後とIT革命が同時に進行していているような雰囲気だ。毎回、発見と驚き、感動がある。 そのミャンマー最大都市のヤンゴンから北へ300キロのバゴー地域・ピィ。街から走り出したバイクは、ゆったりと走る2頭の牛が曳く牛車を追い越す。目指すは、街外れの田んぼの中にあるミャレイヨン僧院学校。仏教の僧院の中に信者の寄付によって小学校と中学校が併設されている。生徒は453人だ。 校庭の木陰にバイクが止まると顔に白っぽいミャンマー伝統の顔料の「タナカ」を顔に塗った子どもたちが歓声を上げながら駆け寄ってきた。子どもたちが見守る中でバイクの左右と後ろの扉が開く。左右の扉には隙間なく色とりどりの200冊の絵本が並ぶ。車体には、本を読む子どもたちと虹のシンボルが描かれている。このバイクは移動図書館
1080台、全てオーダーメイド トラック改造か、バス改造か 図書館がやって来る意味って? 移動図書館車を見たことがありますか?私は今、はまっています。何千冊もの本を積んで地域を巡る「動く図書館」のような車です。ちょっと懐かしい音楽とひときわ目立つ派手な色使いで、やってくると、たちまち子どもからお年寄りまで人だかりができる人気者。各地で見てきた移動図書館車について夢中で話していると、ガンダム好きのある先輩が言いました。 「文化と教養のモビルスーツやな」 確かに。 「普通の四角い車が、たくさんの本を載せただけで、たちまち文化の担い手、教育の下支えになる。この変貌にロマンがある」 確かに。 そういえば、どれもなんだか個性的。その秘密を知りたくて、老舗の工場を訪ねてみました。(朝日新聞文化くらし報道部記者・上田真由美) 1080台、全てオーダーメイド さいたま市、大宮駅から車で10分ほど。首都高速
本を積んだ車で地域をめぐる移動図書館。戦後の復興期には地域の隅々に文化を届ける役割を担ったが、最近では、本をきっかけに人や地域をつなぐ機能に注目が集まる。「交流」「復興」「支援」という三つのキーワードで追った。 NPO法人「無本村なくしたい」 鹿児島県指宿市。池田湖畔の広場に7日朝、赤色とクリーム色のツートンカラーのワゴン車が入って来た。ベレー帽をかぶった女性たちが、書棚やイスを設け、絵本を並べていく。ブックカフェ「そらまMEN(めん)」号のオープンだ。 女性たちは、NPO法人「本と人とをつなぐ『そらまめの会』」のメンバー。本を貸し出すわけではないが、要望に応じて出向き、絵本の読み聞かせや読書会を開く。「そらまMEN」はこの日から運行を開始した。 会の理事長の下吹越(しもひごし)かおるさん(55)は、仲間たちと立ち上げたNPOで指定管理者として市立図書館を運営する一方、休館日などを利用し、
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